アンケートを実施する

調査には、大きく【検証型の調査】と【探索型の調査】があります。

【検証型の調査】
すでにある仮説や評価したいことを確認するための調査。患者満足度アンケートやユーザーテストなど。
【探索型の調査】
患者さんの隠れた動機やゴールなど、新しい仮説を生み出すための調査。行動観察やデプスインタビューなど。

調査の基本は目的を明確にすることです。目的が明確であれば、どのような調査をすべきかが自ずと明らかになり、調査結果を受けて実施すべき施策も決まってきます。
「患者満足度アンケート」であれば、目的は「患者満足度の向上」です。調査を通じて患者さんの満足度を向上させる一連の取り組みは以下のようになるでしょう。

  • いま全体として患者さんがどの程度満足しているかを検証する
  • 全体の満足度が、待ち時間、コミュニケーション、サービスなどのどの要素によってもたらされているのか、それぞれの要素の満足度、重要度を検証する取り組みのヒントを得るために、それぞれの要素について具体的な不満点を回答してもらう
  • 重要で不満度の高い要素に焦点を当ててアイデアを出す
  • 緊急度の高さ、着手の容易さ、効果の高さなどでアイデアを評価する
  • 優先順位をつけて施策を実行する
  • 施策を通じて個々の要素の満足度、全体の満足度がどれだけ向上したか、成果を継続的にモニターしていく

調査・分析、施策の立案、施策の実行、成果の検証という一連のサイクルが回ってはじめて調査の目的が果たされたことになります。

【図:1】調査サイクル

【図:1】調査サイクルの図

すでに多くの施設では「患者満足度アンケート」を実施していると思いますが、それらは「患者満足度の向上」という目的に沿ったものになっているでしょうか。現状の満足度を検証し、優先順位をつけて施策を実行する活動が伴っているでしょうか。いま一度、現状のアンケートの内容や、取り組みのサイクルについてチェックしてみてください。

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