Vol.13 現場の立場から(11)患者ごとに他職種と協働して、個々の“生活に応じた薬物療法”を支援・指導

必要とされる薬剤師、薬局像の答えを“個人在宅”に見出し、実践の場へ転身

山﨑 徹

薬局ニコニコ(東京都江戸川区)

大学卒業後、2004年に大手調剤薬局に入社、その後、マネージャーを経て、本部で薬剤師のOJT(On-the-Job Training)を担当し、薬剤師の研修・指導に関わってきた。現場から離れつつも学会等に参加し、「必要とされる薬剤師、薬局像」を探究する中で、答えの一つ“個人在宅業務”に辿り着き、2022年3月から、これを実践する薬局ニコニコへ転職した。山﨑氏は現在、約70人の在宅患者(約3割が糖尿病合併)を担当し、それぞれの日常生活に寄り添い、個々の能力・技能に応じた“きめ細かな指導”を大事にしている。日本くすりと糖尿病学会に所属し同学会糖尿病履修薬剤師、東京都糖尿病療養指導士でもある。

薬局ニコニコは、訪問介護、居宅介護・移動支援などの介護サービスを展開するニコニコファミリーケア(東京都江戸川区)が、2017年に開設した保険薬局です。応需する処方箋の約9割は、在宅患者が占め、他の外来処方箋も面での応需となっています。同薬局が受け持つ在宅患者数は年々増加傾向にあり、現在個人在宅だけで約520人を担当しています。主に連携しているクリニックは10施設、普段から連携関係にある医師も約10人と地域での信頼を積み重ねています。現在、非常勤を含め12人の薬剤師が日夜、在宅業務に取り組んでいます。

POINT.1

患者状況に応じて主治医が中心に、多職種で見守るローテーションを構築

POINT.2

一方的に教えるのではなく、まず“普段のやり方”を確認することが大事