Vol.9 現場の立場から(5)研修や認定取得の着地点は、患者コミュニケーションや薬学的介入による薬物療法の充実

薬局に勤めながら研究し、精神科薬物療法専門薬剤師も取得

前原 雅樹

杉山薬局 小郡店(福岡県 小郡市)

鹿児島県出身。福岡大学薬学部を2012年に卒業後、有限会社杉山薬局(福岡県嘉麻市)に入社。山口県の萩店に勤務したのち、2015年より精神科病院隣接の小郡店に異動。精神科薬物療法のスペシャリストを目指して、2018年に日本病院薬剤師会精神科薬物療法認定薬剤師、2019年に日本精神薬学会認定薬剤師の資格取得を経て、2022年に薬局薬剤師として初の日本病院薬剤師会精神科専門薬剤師の資格を取得。2020年には英・グラスゴー大学大学院(臨床薬理学コース)に1年間留学した経験を持つ。

有限会社杉山薬局の杉山正康社長は、1997年、医学部での基礎研究歴と薬局薬剤師の経験を生かして、書籍「薬の相互作用としくみ」を執筆すると同時に、高い学術レベルを持つ薬剤師を育成する目的で薬局を開設していました。学生時代にその書籍に出会った前原氏は、社長に共感して同社へ入社しました。入社後、精神科の処方箋を主に応需している小郡店への異動を機に、精神科薬物療法のスペシャリストを目指しました。日病薬の精神科薬物療法認定薬剤師、さらに専門薬剤師へとステップアップするなかで、杉山社長から研究や学術論文作成などの指導・支援を受けたと振り返ります。現在も日常業務の中から研究に取り組む前原氏は、今後のテーマとして、睡眠と性機能障害の改善に関する研究に挑戦したいと語ります。

POINT.1

オープンクエスチョンとYes/Noのクローズド・クエスチョンを使い分け生活背景を導き出す

POINT.2

資格取得で得た知識やエビデンスを生かして的確に対応・薬学的介入へ