Vol.6 指導者の立場から(3)長期入院患者の退院後は病棟業務の延長という視点で、看護師とともに訪問指導

かかりつけ薬局と連携した見守りで、長期入院患者の社会復帰を支援

顔の見える関係づくりを目指して、多職種による退院時共同指導を実践

和田 智仁

社会医療法人居仁会 総合心療センターひなが/診療技術部薬剤課リーダー

三重県松阪市出身。大学卒業後、2010年より総合心療センターひながに入職。2019年から診療技術部薬剤課リーダー。2018年より三重県病院薬剤師会精神科部会委員、2019年より日本精神薬学会評議員、2020年より同学会地域医療連携推進委員会委員を務めている。2015年より日本病院薬剤師会・精神科薬物療法認定薬剤師、2020年より日本精神薬学会・精神薬学会認定薬剤師に認定されている。

総合心療センターひなが(三重県四日市市)は精神科領域における基幹病院として多くの救急患者を受け入れています。同院診療技術部薬剤課リーダーの和田智仁氏は、スーパー救急病棟(精神科救急入院料病棟)における病棟業務のほか、多職種での外来患者の訪問指導など幅広い業務に携わっています。入退院を繰り返す患者さんが一定数いる精神科においては、再入院を回避することが重要です。そこで長期入院の患者さんについては退院後、病棟看護師や精神保健福祉士(以下、PSW)などと共に、病院薬剤師による定期的な居宅訪問を実施し、退院後に利用される保険薬局には退院後3か月にわたるレポートを依頼し、情報共有をしています。また、訪問看護師からの報告をもとに、保険薬局へフォローアップを依頼するなど、地域全体として患者さんの社会復帰、再入院回避に向けての取り組みを行なっています。

POINT.1

「3か月以内の退院」に向けて、薬剤師もチームの一員として薬物療法に介入

POINT.2

安定し、落ち着いた状態の維持・継続のための患者支援は地域薬局の“使命”