第13回 双極Ⅰ型障害患者にラツーダを長期投与したときの有効性及び安全性を検討したELEVATE長期試験(日本人サブ解析グループ解析を含む有効性と安全性)

双極Ⅰ型障害患者にラツーダを長期投与したときの有効性及び安全性を検討したELEVATE長期試験 日本人サブ解析グループ解析を含む有効性と安全性
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2020年6月、本邦でラツーダが「統合失調症」および「双極性障害におけるうつ症状の改善」を効能・効果として発売されました。
今回は、「双極Ⅰ型障害患者にラツーダを長期投与したときの有効性及び安全性を検討したELEVATE長期試験」から、日本人サブ解析グループ解析を含む有効性と安全性についてQ&A形式でご紹介します。

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ELEVATE長期試験とは?

試験概要

 本試験の対象は、ELEVATE試験を完了し、最も新しいまたは現在のエピソードがうつ病であった患者413例および新規登録された、最も新しいまたは現在のエピソードが躁病、軽躁病、あるいは混合性であった日本人患者(本邦で承認された効能又は効果は双極性障害におけるうつ症状の改善)82例です。ELEVATE試験を完了した患者では、Day 1からの1週間はラツーダ60mg/日とし、Day 8以降は20-120mg/日※1の範囲で適宜増減し、28週間(日本以外)または52週間(日本)投与しました。

※1 ラツーダ80-120mgは承認外用量です

解析計画の詳細はこちら開く

 すべての有効性および安全性の解析は、治験薬を投与されたすべての患者集団である安全性解析対象集団で実施しました。有効性の解析として、各評価時点、28週時(LOCF)および52週時(LOCF)での、MADRS合計スコア、YMRS合計スコア、CGI-BP-Sスコア、SDS合計スコア、およびHAM-A合計スコアの二重盲検治療期および非盲検治療期のベースラインからの変化量の要約統計量を算出しました。
 事前に計画されたサブグループ解析として、有効性評価項目における日本人集団での解析を実施しました。
 安全性の解析は、28週および52週までの有害事象に関して、各基本語(PT)および器官別大分類(SOC)について、少なくとも1件の有害事象または治験薬投与と関連のある有害事象(副作用)を発現した患者数および割合を算出しました。


患者背景

 患者背景をみると、男女比はほぼ1:1の割合で、平均年齢は約42歳、罹病期間は約12年、双極Ⅰ型障害のサブタイプは非急速交代型が90%以上を占め、現エピソードからスクリーニングまでの期間は約12週でした。
 非盲検治療期ベースライン時のMADRS合計スコアは15.8-18.4、CGI-BP-S(overall)スコアは2.96-3.33でした。


ELEVATE長期試験の結果は?

有効性 MADRS合計スコア

 ラツーダ20-60mg→ラツーダ20-120mg※1群における28週時および最終評価時(LOCF)のMADRS合計スコアの二重盲検治療期ベースラインからの変化量は、それぞれ−23.2、−18.3でした。

注)非盲検治療期では承認外用量が含まれていますが、審査の過程で長期投与試験として評価されたため、二重盲検治療期で承認内用量で開始されているラツーダ20-60mg→ラツーダ20-120mg群の結果のみを示しています
※1 ラツーダ80-120mgは承認外用量です


有効性 日本人集団におけるMADRS合計スコア

 サブグループ解析の結果、日本人集団(ELEVATE試験を完了した患者)のラツーダ20-60mg→ラツーダ20-120mg※1群における52週時および最終評価時(LOCF)のMADRS合計スコアの二重盲検治療期ベースラインからの変化量は、それぞれ−25.7、−14.8でした。

注)非盲検治療期では承認外用量が含まれていますが、審査の過程で長期投与試験として評価されたため、二重盲検治療期で承認内用量で開始されているラツーダ20-60mg→ラツーダ20-120mg群の結果のみを示しています
※1 ラツーダ80-120mgは承認外用量です


有効性 CGI-BP-S(overall)スコア

 ラツーダ20-60mg→ラツーダ20-120mg※1群における28週時および最終評価時(LOCF)のCGI-BP-S(overall)スコアの二重盲検治療期ベースラインからの変化量は、それぞれ−2.40、−1.91でした。

注)非盲検治療期では承認外用量が含まれていますが、審査の過程で長期投与試験として評価されたため、二重盲検治療期で承認内用量で開始されているラツーダ20-60mg→ラツーダ20-120mg群の結果のみを示しています
※1 ラツーダ80-120mgは承認外用量です


有効性 日本人集団におけるCGI-BP-S(overall)スコア

 サブグループ解析の結果、日本人集団(ELEVATE試験を完了した患者)のラツーダ20-60mg→ラツーダ20-120mg※1群における52週時および最終評価時(LOCF)のCGI-BP-S(overall)スコアの二重盲検治療期ベースラインからの変化量は、それぞれ−2.63、−1.44でした。

注)非盲検治療期では承認外用量が含まれていますが、審査の過程で長期投与試験として評価されたため、二重盲検治療期で承認内用量で開始されているラツーダ20-60mg→ラツーダ20-120mg群の結果のみを示しています
※1 ラツーダ80-120mgは承認外用量です


安全性

安全性の詳細はこちら開く

 28週における副作用発現頻度(ELEVATE試験を完了した患者)は、プラセボ→ラツーダ20-120mg※1群64.4%、ラツーダ20-60mg→ラツーダ20-120mg群48.7%、ラツーダ80-120mg→ラツーダ20-120mg群49.6%でした。28週(ELEVATE試験を完了した患者)において、いずれかの群で発現頻度5%以上であった副作用は、プラセボ→ラツーダ20-120mg群、ラツーダ20-60mg→ラツーダ20-120mg群、ラツーダ80-120mg→ラツーダ20-120mg群の順に、悪心8.3%、5.9%、1.6%、体重増加5.3%、3.9%、6.2%、アカシジア24.2%、20.4%、8.5%、パーキンソニズム8.3%、8.6%、4.7%、傾眠11.4%、5.9%、4.7%でした。
 28週(ELEVATE試験を完了した患者)における重篤な有害事象は、プラセボ→ラツーダ20-120mg群3例4件[疾患進行、骨盤骨折、腰部脊柱管狭窄症、自殺企図各1件]、ラツーダ20-60mg→ラツーダ20-120mg群7例11件[疾患進行4件、血中カリウム減少、尿中ブドウ糖陽性、体重減少、アカシジア、幻聴、幻視、自殺念慮各1件]、ラツーダ80-120mg→ラツーダ20-120mg群6例6件[疾患進行、自殺企図各2件、尿路感染症、アルコール症各1件]でした。
 28週(ELEVATE試験を完了した患者)における投与中止に至った有害事象は、プラセボ→ラツーダ20-120mg群15例[疾患進行5例、アカシジア4例、傾眠2例、ジスキネジア、自殺企図、浮動性めまい、躁病各1例]、ラツーダ20-60mg→ラツーダ20-120mg群18例[疾患進行7例、アカシジア3例、自殺企図、心電図QT延長、パニック障害、易刺激性、幻聴、月経困難症、発疹、躁病各1例]、ラツーダ80-120mg→ラツーダ20-120mg群10例[アカシジア、疾患進行、自殺企図各2例、アルコール症、代謝障害、解離性健忘、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加各1例]でした。
 52週の日本人集団(ELEVATE試験を完了した患者)における副作用発現頻度は、プラセボ→ラツーダ20-120mg群80.5%、ラツーダ20-60mg→ラツーダ20-120mg群60.4%、ラツーダ80-120mg→ラツーダ20-120mg群71.4%、ラツーダ20-120mg群72.0%でした。
 52週の日本人集団(ELEVATE試験を完了した患者)における、いずれかの群で発現頻度が5%以上であった副作用は、プラセボ→ラツーダ20-120mg群、ラツーダ20-60mg→ラツーダ20-120mg群、ラツーダ80-120mg→ラツーダ20-120mg群、ラツーダ20-120mg群の順に、下痢0%、0%、3.6%、6.1%、悪心12.2%、6.3%、3.6%、13.4%、嘔吐4.9%、4.2%、7.1%、2.4%、倦怠感7.3%、2.1%、3.6%、2.4%、血中プロラクチン増加4.9%、2.1%、0%、7.3%、体重増加4.9%、6.3%、7.1%、8.5%、アカシジア41.5%、37.5%、17.9%、25.6%、ジスキネジア7.3%、4.2%、10.7%、1.2%、ジストニア7.3%、0%、3.6%、6.1%、頭痛2.4%、2.1%、0%、6.1%、パーキンソニズム9.8%、10.4%、3.6%、6.1%、傾眠12.2%、6.3%、7.1%、13.4%、振戦2.4%、0%、0%、7.3%でした。
 52週の日本人集団(ELEVATE試験を完了した患者)における重篤な有害事象(52週間)は、プラセボ→ラツーダ20-120mg群4例6件に認められ、骨盤骨折、糖尿病、乳酸アシドーシス、腰部脊柱管狭窄症、子宮癌、自殺企図各1件、ラツーダ20-60mg→ラツーダ20-120mg群3例5件に認められ、疾患進行、血中カリウム減少、尿中ブドウ糖陽性、体重減少、アカシジア各1件、ラツーダ80-120mg→ラツーダ20-120mg群2例2件に認められ、疾患進行、アルコール症各1件でした。
 52週の日本人集団(ELEVATE試験を完了した患者)におけるにおける投与中止に至った有害事象(52週間)は、プラセボ→ラツーダ20-120mg群8例、ラツーダ20-60mg→ラツーダ20-120mg群10例、ラツーダ80-120mg→ラツーダ20-120mg群6例に認められました。
 なお、本試験において死亡は報告されませんでした。

※1 ラツーダ80-120mgは承認外用量です


52週における長期投与の有効性と安全性が日本人集団でも確認されたラツーダを、
双極性障害におけるうつ症状に対する新たな治療選択肢としてぜひご検討ください。


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