第10回 双極Ⅰ型障害の大うつ病エピソードを有する患者を対象にリチウムまたはバルプロ酸併用下におけるラツーダの上乗せ効果を検討したPREVAIL#1試験

双極Ⅰ型障害の大うつ病エピソードを有する患者を対象にリチウムまたはバルプロ酸併用下におけるラツーダの上乗せ効果を検討したPREVAIL#1試験
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2020年6月、本邦でラツーダが「統合失調症」および「双極性障害におけるうつ症状の改善」を効能・効果として発売されました。
今回は、「双極Ⅰ型障害の大うつ病エピソードを有する患者を対象にリチウムまたはバルプロ酸併用下におけるラツーダの上乗せ効果を検討したPREVAIL#1試験」についてQ&A形式でご紹介します。

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PREVAIL#1試験とは?

試験概要

 本試験の対象は、リチウムまたはバルプロ酸※1(Li/VPA)による前治療を28日以上受けている双極Ⅰ型障害患者(大うつ病エピソード)346例です。プラセボ+Li/VPA群、ラツーダ20-120mg+Li/VPA群※2に無作為に割り付け、ラツーダ20、40、60、80、100、120mg※3またはプラセボを1日1回、夕食時※4または夕食後30分以内に経口投与しました。
(ラツーダ80-120㎎は承認外用量です。)

 有効性の主たる解析対象集団はITT集団であり、無作為化され、少なくとも1回治験薬を投与された、ベースラインおよび少なくとも1つの治験薬投与開始後における有効性のデータがある患者としました。有効性の主要評価項目は6週時のMADRS合計スコアのベースラインからの変化量であり、治療群、評価時期、実施医療機関、層別因子(Li/VPA)、MADRS合計スコアのベースライン値、および治療群と評価時期の交互作用を含むMMRM法により、ラツーダ20-120mg※3/日投与とプラセボ投与を比較しました。
 安全性解析対象集団は、無作為化され、少なくとも1回治験薬を投与された患者としました。

※1 原則として、各国で承認されたdivalproex(本邦未承認)もしくはバルプロ酸ナトリウムを使用しました。
※2 ラツーダ20-120mg+Li/VPA群には、承認外用量であるラツーダ80-120mgが含まれています。
※3 ラツーダ80-120mgは承認外用量です。
※4 本邦での承認用法は食後経口投与です。
注1)リチウムの効能又は効果:躁病および躁うつ病の躁状態
注2)バルプロ酸の効能又は効果:2. 躁病および躁うつ病の躁状態の治療、3.片頭痛発作の発症抑制


患者背景

 患者背景をみると、男女比はほぼ1:1の割合で、平均年齢は約42歳、罹病期間は約13年、双極Ⅰ型障害のサブタイプは非急速交代型が約96%を占め、現エピソードからスクリーニングまでの期間は約12週でした。
 ベースライン時のMADRS合計スコアは、プラセボ+Li/VPA群30.8、ラツーダ20-120mg+Li/VPA群※230.6、CGI-BP-S(depression)スコアはそれぞれ4.60、4.47、YMRS合計スコアは両群とも3.4でした。

※2 ラツーダ20-120mg+Li/VPA群には、承認外用量であるラツーダ80-120mgが含まれています。


PREVAIL#1試験の結果は?

有効性 MADRS合計スコア

 主要評価項目である6週時のMADRS合計スコアのべースラインからの変化量は、プラセボ+Li/VPA群-13.5、ラツーダ20-120mg+Li/VPA群※2-17.1でした。

※2 ラツーダ20-120mg+Li/VPA群には、承認外用量であるラツーダ80-120mgが含まれています。


MADRS合計スコア(サブグループ解析)

 サブグループ解析として、ラツーダ最大投与量別にみた6週時のMADRS合計スコアのベースラインからの変化量を検討しました。
 その結果、ラツーダ40mg(最大)+Li/VPA群は−28.8、ラツーダ60mg(最大)+Li/VPA群−19.7であり※5、いずれもプラセボ+Li/VPA群に対して有意差が認められました。

※5 最大承認用量の60mg/日までの結果を示します。


安全性

副作用発現頻度は、プラセボ+Li/VPA群47.9%、ラツーダ20-120mg+Li/VPA群※255.2%でした。
 いずれかの群で発現頻度が5%以上であった副作用は、プラセボ+Li/VPA群、ラツーダ20-120mg+Li/VPA群※2で悪心がそれぞれ10.4%、14.8%、下痢が5.5%、3.8%、頭痛が10.4%、6.0%、傾眠が3.7%、8.7%、振戦が4.3%、8.2%、アカシジアが3.7%、7.1%、不眠症が4.3%、6.0%でした。

 重篤な副作用は、プラセボ+Li/VPA群0例、ラツーダ20-120mg+Li/VPA群※21例1件[うつ病1件]に認められました。
 投与中止に至った有害事象は、プラセボ+Li/VPA群11例[うつ病3例、流涎過多、薬剤離脱症候群、大腿骨骨折、異常感覚、激越、軽躁、自殺念慮、不安各1例]、ラツーダ20-120mg+Li/VPA群※211例[悪心2例、上腹部痛、嘔吐、体重増加、激越、抑うつ気分、抑うつ症状、軽躁、自殺念慮、高血圧各1例]でした。
 試験期間中、いずれの群においても死亡は報告されませんでした。

※2 ラツーダ20-120mg+Li/VPA群には、承認外用量であるラツーダ80-120mgが含まれています。


臨床検査値

 本試験では、臨床検査値への影響も検討されています。6週時の体重のベースラインからの変化量は、プラセボ+Li/VPA群0.17kg、ラツーダ20-120mg+Li/VPA群※20.28kgでした。その他のBMI、HbA1cなどのベースラインからの変化量は、ご覧のとおりです。

※2 ラツーダ20-120mg+Li/VPA群には、承認外用量であるラツーダ80-120mgが含まれています。


中止率

 なお、本試験の6週時における中止率はプラセボ+Li/VPA群18%、ラツーダ20-120mg+Li/VPA群※222%でした。

※2 ラツーダ20-120mg+Li/VPA群には、承認外用量であるラツーダ80-120mgが含まれています。

気分安定薬(リチウム・バルプロ酸)で効果が不十分な双極性障害におけるうつ症状に対する新たな治療選択肢として、
ラツーダをぜひご検討ください。


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