第5回 急性増悪期の統合失調症患者を対象とした検証的試験 PEARL#2試験

Q&Aでわかる 急性増悪期の統合失調症患者を対象とした検証的試験 PEARL#2試験
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2020年6月、本邦でラツーダが「統合失調症」および「双極性障害におけるうつ症状の改善」を効能・効果として発売となりました。
今回は、「急性増悪期の統合失調症患者を対象とした検証的試験 PEARL#2試験」についてQ&A形式でご紹介します。

Am J Psychiatry. 2011; 168(9):957-967

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PEARL#2試験とは?

試験概要

 本試験の対象は、急性増悪期の統合失調症患者478例です。対象をプラセボ群、ラツーダ40mg群、ラツーダ120mg群、オランザピン15mg群に無作為に割り付け、プラセボ、ラツーダ40mg、120mgまたはオランザピン15mgを1日1回、食事中または食後30分以内に6週間経口投与しました。
 なお、オランザピン群は参照群として設定されました。

*本邦での承認用法は食後経口投与

 有効性の主たる解析は、ITT集団を対象として実施しました。有効性の主要評価項目である6週時のPANSS合計スコアのベースラインからの変化量は、実施医療機関、評価時期、治療群、治療群と評価時期の交互作用および、ベースラインのPANSS合計スコアを共変量とする反復測定のための混合モデル(MMRM)法を用いて解析し、検定の多重性はHommel-based treegatekeeping法で調整しました。
 安全性解析対象集団は、治験薬が1回以上投与されたすべての患者として実施しました。

注)ラツーダ120mgは承認外用量です。

患者背景

 患者背景をみると、男女比は男性が約80%を占めていました。平均年齢は約37歳、病型は妄想型が約90%で、罹病期間は約13年、現エピソードの発症年齢は約34歳でした。
 また、ベースライン時のPANSS合計スコアは
95.8-97.9、CGI-Sスコアは4.9-5.0でした。
 若年者で、妄想型が多く、中等症以上の重症度の統合失調症患者が組み入れられた試験でした。

PEARL#2の結果は?

有効性
PANSS合計スコアとCGI-Sスコア

 主要評価項目である6週時のPANSS合計スコアのベースラインからの変化量は、プラセボ群 -16.0、ラツーダ40mg群-25.7、オランザピン15mg群-28.7であり、ラツーダ40mgは、プラセボに比べて、PANSS合計スコアを有意に低下させ、プラセボに対する優越性が検証されました。
 副次評価項目である各評価時期のPANSS合計スコアのベースラインからの変化量は、ラツーダ40mg群で投与開始1週目より、プラセボ群に対する有意差が認められました。
 また、各評価時期のCGI-Sスコアのベースラインからの変化量は、ラツーダ40mg群で投与開始2週目より、プラセボ群に対する有意差が認められました。
 なお、オランザピン15mg群と同様に、ラツーダ40mg群はプラセボ群と有意差が確認されました。

※ラツーダ120mgは承認外用量のため、有効性の成績は削除しました。なお、本結果は参照群とラツーダ40mg群との比較を示したものではありません。

PANSSサブスケール別スコア

 ラツーダ40mgは、プラセボに比べて、PANSSサブスケール別スコア「陽性尺度」、「陰性尺度」、「総合精神病理評価尺度」のいずれの項目も有意に低下させました。

安全性

 副作用発現頻度は、プラセボ群62例(53.4%)、ラツーダ40mg群70例(58.8%)、
ラツーダ120mg群85例(72.0%)、オランザピン15mg群82例(67.2%)でした。
 いずれかの群で発現頻度が10%以上だった副作用は、体重増加はプラセボ群6例(5.2%)、
ラツーダ40mg群2例(1.7%)、ラツーダ120mg群1例(0.8%)、オランザピン15mg群24例(19.7%)、アカシジアはそれぞれ1例(0.9%)、14例(11.8%)、27例(22.9%)、9例(7.4%)、頭痛はそれぞれ16例(13.8%)、14例(11.8%)、14例(11.9%)、10例(8.2%)、パーキンソニズムはそれぞれ2例(1.7%)、11例(9.2%)、13例(11.0%)、
6例(4.9%)などでした。
 重篤な副作用は、プラセボ群3例3件[パニック発作、激越、精神病性障害各1件]、ラツーダ40mg群0例、ラツーダ120mg群4例4件[精神病性障害3件、統合失調症1件]、オランザピン15mg群(参照群)4例4件[自殺念慮、洞性頻脈、肝炎、精神病性障害各1件]に認められました。
 投与中止に至った有害事象は、プラセボ群11例14件[精神病性障害4件、急性心筋梗塞、狭心症、冠動脈攣縮、冠動脈疾患、洞性徐脈、吐血、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、心拍数増加、激越、統合失調症各1件]、ラツーダ40mg群9例9件[アカシジア、精神病性障害各2件、アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加、激越、不眠症、物質乱用、発疹各1件]、ラツーダ120mg群
15例17件[アカシジア、ジストニア、精神病性障害、統合失調症各2件、狭心症、肺炎、高カリウム血症、錯乱状態、敵意、悪夢、自殺念慮、そう痒症、起立性低血圧各1件]、オランザピン15mg群11例11件[肝酵素上昇、精神病性障害各3件、洞性頻脈、肝炎、肺結核、血中ブドウ糖増加、トランスアミナーゼ上昇各1件]に認められました。
 試験期間中、オランザピン15mg群の1例が気管支肺炎により死亡しましたが、治療薬との因果関係は否定されました。プラセボ群、ラツーダ40mg群およびラツーダ120mg群では死亡は認められませんでした。

臨床検査値

 本試験では、臨床検査値への影響も検討されています。
 6週時点での体重、BMI、HbA1cなどのベースラインからの変化量は、ご覧の通りです。

中止率

 なお、本試験の6週時における中止率はプラセボ群39%、ラツーダ40mg群36%、ラツーダ120mg群45%、オランザピン15mg群32%でした。


ラツーダを、

急性増悪期の統合失調症に対する新たな治療選択肢として、ぜひご検討ください。

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