添付文書
作成又は改訂年月
-
** 2017年10月改訂 (第8版)
-
* 2016年5月改訂
日本標準商品分類番号
-
872619
日本標準商品分類番号等
-
再評価結果公表年月(最新)
-
1992年6月
-
薬効分類名
-
殺菌消毒剤
承認等
-
販売名
-
5%ヒビテン液
-
-
2619702Q3135
承認・許可番号
-
承認番号
-
13800AZZ00776
-
-
商標名
-
HIBITANE
-
薬価基準収載年月
-
1965年11月
-
販売開始年月
-
1963年8月
-
貯法・使用期限等
貯法密栓、室温、直射日光を避けて保存すること。使用期限外箱等に記載
使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。注意取扱い上の注意の項参照組成
成分・含量クロルヘキシジングルコン酸塩を5w/v%含有添加物グルコノ-δ-ラクトン、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、イソプロパノール、赤色二号、香料性状
色・剤形赤色の液剤一般的名称
-
クロルヘキシジングルコン酸塩液剤
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
- 1.
クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者
- 2.
脳、脊髄、耳(内耳、中耳、外耳)
〔聴神経及び中枢神経に対して直接使用した場合は、難聴、神経障害を来すことがある。〕 - 3.
**腟、膀胱、口腔等の粘膜面
〔クロルヘキシジン製剤の上記部位への使用により、ショック、アナフィラキシーの症状の発現が報告されている。〕 - 4.
眼
(次の場合には使用しないこと)*効能又は効果
手指・皮膚の消毒、手術部位(手術野)の皮膚の消毒、皮膚の創傷部位の消毒、医療機器の消毒、手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒*用法及び用量
手指・皮膚の消毒には、クロルヘキシジングルコン酸塩として0.1〜0.5%水溶液を用いる。
手術部位(手術野)の皮膚の消毒及び医療機器の消毒には、クロルヘキシジングルコン酸塩として0.1〜0.5%水溶液又は0.5%エタノール溶液を用いる。
皮膚の創傷部位の消毒及び手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒には、クロルヘキシジングルコン酸塩として0.05%水溶液を用いる。(参考)
本品は下記の濃度(クロルヘキシジングルコン酸塩として)に希釈し、水溶液又はエタノール溶液として使用する。効能・効果 用法・用量 使用例 手指・皮膚の消毒 0.1〜0.5%水溶液
(本剤の50倍〜10倍希釈)通常時:0.1%水溶液(30秒以上)
汚染時:0.5%水溶液(30秒以上)手術部位(手術野)の
皮膚の消毒0.1〜0.5%水溶液
(本剤の50倍〜10倍希釈)
又は
0.5%エタノール溶液
(本剤の10倍希釈)0.5%エタノール溶液 皮膚の創傷部位の消毒 0.05%水溶液
(本剤の100倍希釈)0.05%水溶液 医療機器の消毒 0.1〜0.5%水溶液
(本剤の50倍〜10倍希釈)
又は
0.5%エタノール溶液
(本剤の10倍希釈)通常時:0.1%水溶液(10〜30分)
汚染時:0.5%水溶液(30分以上)
緊急時:0.5%エタノール溶液(2分以上)手術室・病室・家具
・器具・物品などの消毒0.05%水溶液
(本剤の100倍希釈)0.05%水溶液 使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
- 1.
薬物過敏症の既往歴のある者
- 2.
喘息等のアレルギー疾患の既往歴、家族歴のある者
(次の場合には慎重に使用すること)重要な基本的注意
- 1.
**ショック、アナフィラキシー等の反応を予測するため、使用に際してはクロルヘキシジン製剤に対する過敏症の既往歴、薬物過敏体質の有無について十分な問診を行うこと。
- 2.
本剤は必ず希釈し、濃度に注意して使用すること。
- 3.
創傷部位に使用する希釈水溶液は、調製後必ず滅菌処理すること。
- 4.
産婦人科用(腟・外陰部の消毒等)、泌尿器科用(膀胱・外性器の消毒等)には使用しないこと。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため、発現頻度については文献、自発報告等を参考にした。(再審査対象外)重大な副作用
**ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明)ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので観察を十分に行い、血圧低下、蕁麻疹、呼吸困難等があらわれた場合は、直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと。その他の副作用
次のような副作用が認められた場合には直ちに使用を中止し、再使用しないこと。過敏症0.1%未満発疹、蕁麻疹等適用上の注意
- 1.
投与経路
- 2.
使用時
- (1)
眼に入らないように注意すること。眼に入った場合は直ちによく水洗すること。
- (2)
注射器、カテーテル等の神経や粘膜面に接触する可能性のある器具を本剤で消毒した場合は、滅菌水でよく洗い流した後使用すること。
- (3)
本剤の付着したカテーテルを透析に用いると、透析液の成分により難溶性の塩を生成することがあるので、本剤で消毒したカテーテルは、滅菌水でよく洗い流した後使用すること。
- (4)
本剤のアルコール溶液で術野消毒後、処置の前に乾燥させておくこと。〔電気メス等による発火事故が報告されている。〕
- (5)
*溶液の状態で長時間皮膚と接触させた場合に皮膚化学熱傷を起こしたとの報告があるので、注意すること。
外用にのみ使用すること。その他の注意
クロルヘキシジングルコン酸塩製剤の投与によりショック症状を起こした患者のうち数例について、血清中にクロルヘキシジンに特異的なIgE抗体が検出されたとの報告がある。1)薬物動態
吸収・排泄 2) 注5名の健常男子の上腕皮膚面50cm2に、5%又は4%の標識されたクロルヘキシジングルコン酸塩液(18μCiの14Cを含有)を塗布し3時間放置した。14C標識物質は塗布後6時間及び24時間後の血中から検出されなかった。塗布後10日間の糞尿中の14C標識物質の総量の測定では、尿中から検出されず、2名の糞便中から塗布量の0.009%以下の14C標識物質が検出された(英国での成績)。
15名の健常人が4%のクロルヘキシジングルコン酸塩液10mLで手指と腕の消毒を3週間(1日5回、週5日)行ったが、消毒30分後の血中からクロルヘキシジン及びその誘導体は検出されなかった(英国での成績)。
注:体内薬物動態についての日本人での成績は得られていない。臨床成績
0.1%水溶液による手指消毒試験、0.5%水溶液による手術部位(手術野)の皮膚消毒試験、0.5%エタノール溶液による医療機器の消毒試験等で、いずれも本剤の消毒効果が認められた。3-5)薬効薬理
- 1.
抗菌作用(in vitro試験)
- (1)
クロルヘキシジングルコン酸塩は広範囲の微生物に作用し、グラム陽性菌には低濃度でも迅速な殺菌作用を示す。6,7)
- (2)
グラム陰性菌には比較的低濃度で殺菌作用を示すが、グラム陽性菌に比べ抗菌力に幅がみられる。8)グラム陰性菌のうち、
属等には、まれにクロルヘキシジングルコン酸塩に抵抗する菌株もある。9-11)Alcaligenes, Pseudomonas, Achromobacter, Flavobacterium - (3)
芽胞形成菌の芽胞には効力を示さない。12)
- (4)
結核菌に対して水溶液では静菌作用を示し、アルコール溶液では迅速な殺菌作用を示す。13)
- (5)
真菌類の多くに抗菌力を示すが、全般的に細菌類よりも抗菌力は弱い。14)
- (6)
ウイルスに対する効力は確定していない。
- (7)
殺菌作用
- 1)
各種細菌に対するクロルヘキシジングルコン酸塩の
殺菌力in vitro
接種量:109/mL
温度:25℃
中和剤:レシチン3%、ルブロールW10%
(表1参照) - 2)
各種臨床分離株に対するクロルヘキシジングルコン酸塩のin vitro殺菌力15)
接種菌量:約107 cfu/mL 温度:室温
中和剤:SCDLP液体培地(日本製薬)
(表2参照) - 2.
作用機序
作用機序は十分には解明されていないが、比較的低濃度では細菌の細胞膜に障害を与え、細胞質成分の不可逆的漏出や酵素阻害を起こし、比較的高濃度では細胞内の蛋白質や核酸の沈着を起こすことが報告されている。16,17)表1.各種細菌に対するクロルヘキシジングルコン酸塩のin vitro殺菌力 供 試 菌 クロルヘキシジン
グルコン酸塩
(μg/mL)平均殺菌率(%)
1分平均殺菌率(%)
10分平均殺菌率(%)
30分黄色ブドウ球菌
(F.D.A.209)200
10099.573
97.911>99.999
99.940>99.999
99.976緑膿菌
(P2試験室菌株)200
10099.583
99.25999.984
99.967>99.999
>99.999肺炎桿菌
(試験室菌株)100
5099.308
92.23899.948
98.41599.996
99.510チフス菌
(NCTC.786)100
5099.985
99.49999.998
99.963>99.999
99.995ゾンネ赤痢菌
(試験室菌株)200
10099.149
95.42999.984
99.661>99.999
99.993腸内醸気菌
(試験室菌株)200
10099.855
99.33999.993
99.776>99.999
99.954モルガン変形菌
(試験室菌株)400
20098.852
94.75299.911
99.24199.975
99.865表2.各種臨床分離株に対するクロルヘキシジングルコン酸塩の 殺菌力15)in vitro 試験菌株 作用濃度(%) 殺菌率(%)
1分殺菌率(%)
10分殺菌率(%)
30分MSSA No.1 0.05
0.1
0.599.861
99.923
>99.985>99.985
>99.985
>99.985>99.985
>99.985
>99.985MRSA No.2 0.05
0.1
0.532.530
77.108
97.95299.976
>99.988
>99.988>99.988
>99.988
>99.988Escherichia coli No.1 0.05
0.1
0.5>99.983
>99.983
>99.983>99.983
>99.983
>99.983>99.983
>99.983
>99.983Serratia marcescens No.2 0.05
0.1
0.5>99.993
>99.993
>99.993>99.993
>99.993
>99.993>99.993
>99.993
>99.993Enterobacter cloacae No.1 0.05
0.1
0.5>99.988
>99.988
>99.988>99.988
>99.988
>99.988>99.988
>99.988
>99.988Pseudomonas aeruginosa No.1 0.05
0.1
0.5>99.984
>99.984
>99.984>99.984
>99.984
>99.984>99.984
>99.984
>99.984Burkholderia cepacia No.20 0.05
0.1
0.596.667
97.879
99.98599.970
>99.985
>99.98599.985
>99.985
>99.985有効成分に関する理化学的知見
一般名クロルヘキシジングルコン酸塩液
Chlorhexidine Gluconate Solution化学名1,1′-Hexamethylenebis[5-(4-chlorophenyl)biguanide],di-D-gluconate構造式分子式C22H30Cl2N10・2C6H12O7分子量897.76性状クロルヘキシジングルコン酸塩液は、無色〜微黄色の澄明な液で、においはなく、味は苦い。水又は酢酸(100)と混和する。クロルヘキシジングルコン酸塩液1mLはエタノール(99.5)5mL以下又はアセトン3mL以下と混和するが、溶媒の量を増加するとき白濁する。
光によって徐々に着色する。
比重d2020:1.06〜1.07取扱い上の注意
- 1.
本剤は外用剤であるので、経口投与や注射をしないこと。誤飲した場合には、牛乳、生卵、ゼラチン等を用いて、胃洗浄を行うなど適切な処置を行う。誤って静注した場合には溶血反応を防ぐために、輸血等を行う。
- 2.
血清・膿汁等の有機性物質は殺菌作用を減弱させるので、これらが付着している場合は十分に洗い落としてから使用すること。
- 3.
石鹸類は本剤の殺菌作用を弱めるので、石鹸分を洗い落としてから使用すること。
- 4.
綿球・ガーゼ等は本剤を吸着するので、これらを希釈液に浸漬して用いる場合には、有効濃度以下にならないように注意すること。
- 5.
本剤は、常水や生理食塩液等に含まれる陰イオンにより難溶性の塩を生成することがあるので、希釈水溶液を調製する場合は、新鮮な蒸留水を使用することが望ましい。
- 6.
手洗い等に使用する本剤の希釈液は、少なくとも毎日新しい溶液と取換えること。
- 7.
本剤の希釈水溶液は安定であるが、高温に長時間保つことは避けること。(高圧蒸気滅菌を行う場合は115℃30分、121℃20分、126℃15分で滅菌処理することができる。)
- 8.
本剤を取扱う容器類は常に清浄なものを使用すること。
- 9.
本剤の希釈水溶液は調製後直ちに使用すること。やむを得ず消毒用綿球等に長時間使用する希釈水溶液は微生物汚染を防止するために、希釈水溶液にアルコールを添加することが望ましい。(エタノールの場合7vol%以上、イソプロパノールの場合4vol%以上になるように添加する。)
- 10.
器具類の保存に使用する場合は、腐食を防止するために、高濃度希釈液(目安として本液0.3%以上)を使用し、微生物汚染を防止するために、希釈水溶液にアルコールを添加することが望ましい。(アルコール添加量は上記9.と同じ)本液は毎週新しい溶液と取換えること。
- 11.
本剤に含有される界面活性剤は、希釈した場合でも長期保存の間に接着剤を侵すことがあるため、接着剤を使用したガラス器具等の長期保存には使用しないこと。
- 12.
本剤の付着した白布を次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系漂白剤で漂白すると、褐色のシミができることがある。漂白には過炭酸ナトリウム等の酸素系漂白剤が適当である。
包装
-
5%ヒビテン液:500mL、 5L
主要文献及び文献請求先
主要文献
- 1)
大利隆行ほか:アレルギー, 33 (9):707, 1984.
- 2)
Case, D. E.:R. Soc. Med. Int. Congr. Symp. Ser., (23):39, 1980.
- 3)
永井 勲ほか:外科診療, 26(9):1224, 1984.
- 4)
古橋正吉:外科治療, 26(4):407, 1972.
- 5)
千葉豊昭ほか:診療と新薬, 8(2):331, 1971.
- 6)
Davies, G. E. et al.:Br. J. Pharmacol., 9:192, 1954.
- 7)
阿多実茂ほか:総合医学, 18:268, 1961.
- 8)
Hennessey, T. D.:J. Periodont. Res., 8(Suppl.12):61, 1973.
- 9)
金 兌貞ほか:感染症学雑誌, 52(1):10, 1978.
- 10)
西岡きよほか:臨床病理, 26(8):721, 1978.
- 11)
全田 浩ほか:臨床泌尿器科, 35(7):627, 1981.
- 12)
Mitchell, J. A.:Aust. J. Pharm., 43:1139, 1962.
- 13)
山根 績:薬の知識, 19(5):22, 1968.
- 14)
宮崎 洋ほか:歯科医学, 28(4):395, 1965.
- 15)
金澤勝則ほか:Jpn. J. Antibiot., 57(5):449, 2004.
- 16)
Hugo, W. B. et al.:J. Pharm. Pharmacol., 18:569, 1966.
- 17)
市川 晃ほか:日本口腔科学会雑誌, 24(1):55, 1975.
製品に関するお問い合わせ先・文献請求先
-
大日本住友製薬株式会社
-
〒541-0045 大阪市中央区道修町2-6-8
-
くすり情報センター
TEL 0120-034-389 -
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
-
製造販売元
-
大日本住友製薬株式会社
-
大阪市中央区道修町2-6-8
-
-
-