細菌性肺炎の臨床的治癒を示す患者における細菌学的失敗の臨床的意義

Clinical Implications of Microbiologic Treatment Failure in the Setting of Clinical Cure of Bacterial Pneumonia Owen R. Albin, Oryan Henig, Twisha S. Patel, Thomas S. Valley, Jason M. Pogue, Lindsay A. Petty, John P. Mills, Adamo Brancaccio, Emily T. Martin, and Keith S. Kaye

背景

細菌学的治癒は、肺炎の臨床試験において多く用いられる転帰であるが、その臨床的意義については十分に理解されていない。

方法

細菌性肺炎で入院し、臨床的治癒を達成した成人患者の後ろ向きコホート研究を実施した。肺炎再発および死亡の発生率を、臨床的治癒が認められた時点で指標病原体の持続的検出(細菌学的失敗)が認められた患者と、病原体の根絶(細菌学的治癒)が認められた患者の間で比較した。

結果

患者441例中、237例が細菌学的治癒を達成し、204例が細菌学的失敗を認めた。併存症有病率、人工呼吸器依存性、ならびに急性疾患の重症度は、群間で同様であった。臨床的治癒を認めた後の肺炎再発または死亡の発生率は、細菌学的失敗を認めた患者では細菌学的治癒を認めた患者と比べて、併存症、急性疾患の重症度、経験的抗菌薬の適切さ、集中治療室入室、気管切開依存性、および免疫機能不全の状態で補正後に、有意に高かった(多変量補正後の90日オッズ比[OR]1.56、95%信頼区間[CI]1.04~2.35)。この関連は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)に起因する肺炎の患者でも認められた(多変量補正後の90日OR 3.69、95%CI 1.73~7.90)。この傾向は非発酵グラム陰性細菌による肺炎でも認められたが、腸内細菌科細菌やその他の病原体による肺炎では認められなかった。

結論

細菌学的失敗は、臨床的治癒後の細菌性肺炎患者において、肺炎再発または死亡と独立して関連していた。細菌学的治癒は、細菌性肺炎患者に対する治療介入の指針となる指標として、さらなる研究を行う価値がある。

(聖マリアンナ医科大学 國島広之先生)

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