非重症例のCOVID-19における伝播能の分布

Distribution of Transmission Potential During Nonsevere COVID-19 Illness Nabin K. Shrestha, Francisco Marco Canosa, Amy S. Nowacki, Gary W. Procop, Sherilynn Vogel, Thomas G. Fraser, Serpil C. Erzurum, Paul Terpeluk, and Steven M. Gordon

背景

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復した患者は多くの場合、臨床的に回復した後であっても、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により原因ウイルスの検査陽性が引き続き認められ、このため、復職計画に困難が生じることになる。本研究の目的は、経時的にウイルス量を調べることで、COVID-19の伝播能を評価することであった。

方法

COVID-19と診断されたCleveland Clinicの医療従事者(HCP)で、入院を要せずに回復した者を特定した。PCR検査陽性のCt値を明らかにし、ウイルス量を算出した。ウイルス量と、症状発現からの日数との関連を、多変量回帰モデルで評価した。このモデルにより、変数減増法により変数を減らして、0.05レベルで有意な変数のみを残した。このモデルを用いて症状発現日からの日ごとのウイルス量を予測し、ウイルス量‐時間曲線によって伝播能を評価した。

結果

6週間にわたり、HCP 230人に対して検査528件を実施した。ウイルス量は、症状発現から2~3日以内に数桁のレベルで減少した。ウイルス量と有意に関連していた唯一の変数は、症状発現からの時間であった。症状発現から30日の範囲にある曲線下面積(AUC)のうち、96.9%が症状発現後の7日間にあり、99.7%が10日間にあった。Split-Sample法および10分割によるクロスバリデーション法を用いて妥当性を検証したところ、結果はほぼ同様であった。

結論

非重症のCOVID-19患者のうち、上気道検体におけるウイルス量は、症状発現から2~3日でピークに達し、その後急速に減少した。ウイルス量‐時間曲線のAUCのほぼ全てが、症状発現後10日以内にあった。

(兵庫医科大学 中嶋一彦先生)

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