高度介護施設におけるアウトブレイク調査中の無症状のSARS-CoV-2感染症およびCOVID-19による死亡率

Asymptomatic SARS-CoV-2 Infection and COVID-19 Mortality During an Outbreak Investigation in a Skilled Nursing Facility Mahesh C. Patel, Lelia H. Chaisson, 1 Scott Borgetti, Deborah Burdsall, Rashmi K. Chugh, Christopher R. Hoff, Elizabeth B. Murphy, Emily A. Murskyj, Shannon Wilson, Joe Ramos, Lynn Akker, Debra Bryars, Evonda Thomas-Smith, Susan C. Bleasdale, and Ngozi O. Ezike

背景

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のアウトブレイクが、介護施設およびその関連入居施設において報告されている。しかし、この高リスク集団における無症状および症状発現前の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染症の状況については、依然として不明である。

方法

2020年3月15日にイリノイ州の高度介護施設(SNF)において最初に発生が認識されたSARS-CoV-2感染症アウトブレイクの調査を実施し、入居者に対して30日間の追跡調査を行った。入居者127人中126人に逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いたSARS-CoV-2検査を行い、また症状の評価を行った。SARS-CoV-2感染症の点有病率を算出し、30日間の追跡調査において症状を評価して以下を明らかにした:(1)有症状、症状発現前、および無症状の症例の割合、および(2)検査陰性者における症状の発現率。Kaplan-Meier法を用いて、症例における30日死亡率を算出した。

結果

検査を行った入居者126人中、3月15日に33例でSARS-CoV-2感染症が確認された。19例(58%)には検査時に症状があり、1例(3%)では追跡調査期間中に症状が発現し、13例(39%)は無症状のままであった。3月15日に検査陰性であった入居者35人では、追跡調査期間中に症状が発現し、そのうち3人に再検査を行い、2人が陽性であった。症例における30日死亡確率は29%であった。

結論

SNFでは特にSARS-CoV-2感染症が発生しやすく、入居者は重度の転帰をきたすリスクがある。SNFやその他の集合的ケア環境では、アウトブレイク発生を予防するために注意しなければならない。こうした高リスク集団では、広範な検査と感染制御が、COVID-19による病的状態および死亡の予防にとってきわめて重要である。

(愛知医科大学 山岸由佳先生)

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