【第1回】退院時カンファレンスに呼ばれません

孫 尚孝氏株式会社ファーマシィ医療連携部長 / 東京薬科大学客員教授 / 神戸薬科大学非常勤講師 / 帝京大学非常勤講師


退院時カンファレンスは、入院患者が在宅医療へスムーズに移行できるように、入院先病院の医師や看護師と在宅医療を担う多職種が集って協議を行う大事な場となります。特に入院と在宅では生活環境が大きく異なるため、退院時には入院中の処方を在宅療養に合わせて再設計する必要があります。

そこで重要な役割を果たすのが薬局薬剤師ですが、残念ながら退院時カンファレンスに薬局薬剤師が参加すること自体が多職種にはあまり認知されていません。そのような背景から退院時カンファレンスにほとんど呼ばれず、こちらから参加させてもらうようにお願いし続けて、少しずつ声をかけてもらえるようになったといった苦労を私自身も経験しました。

では、退院時の連携を進めるためにはどこにアプローチすればいいのでしょうか?

その重要なポイントは地域医療連携室を押さえることです。地域医療連携室は入退院の調整を行う部門なので、退院時カンファレンスの連絡も基本的に地域医療連携室から入ります。地域医療連携室は、地域の病院や診療所、訪問看護ステーションの特徴などの貴重な情報を把握しています。また、どこの薬局が何に対応できるかといった情報を把握する必要があるので、「麻薬の取り扱い」「24時間対応」「無菌調剤」の対応可否などについての薬局情報はとても重宝されます。病院が勉強会を開催する際は、地域医療連携室から地域に配信されることも多く、そのような情報を入手して参加し、積極的に地域の多職種とつながりを広げていくことも有用です。

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在宅医療や入退院時をはじめとする他の医療機関等との連携の実施状況

出典:日本保険薬局協会 2018年度薬局薬剤師機能拡大委員会アンケート

先述の通り、薬局薬剤師が入退院に関わること自体がほとんど認知されていないため、「待っていれば病院から話が来る」といった都合のいい話はほとんど期待できず、薬局から積極的にアプローチしていくほかありません。

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入退院時における医療機関との連携を推進する上での課題

出典:日本保険薬局協会 2019年度薬局薬剤師機能拡大委員会アンケート

また、次に声を掛けてもらえるかどうかも、実績と信頼を積み上げることが大事なので、退院時カンファレンスにはできる限り参加し、顔の見える関係をしっかり作っていきましょう。

退院時カンファレンスは急に開催が決まって連絡が入ることも多いため、病院に赴けないこともあります。そのような時のために、オンライン会議システムでの参加や病院薬剤師と別途協議の機会の設けるといった選択肢を持っておくこともお勧めします。

第2回は具体的な連携の内容についてご紹介させていただきます。