プロトタイプ(簡単な試作品・試作サービス)を作る

レクチャー22では、「ソリューション・ストーリーボード(解決アイデアの絵コンテ)を作る」ご紹介をしました。さらに効果を上げるために、ここでは、プロトタイプ(簡単な試作品・試作サービス)を作ることと、その検証の方法をご紹介します。

プロトタイプの目的は、以下4点ですが、特に、患者さんが本当に求めているかどうかわからない仮説段階のソリューションの構築に時間やコストをかける前に素早く検証し、できるだけ多くの学びを得ることが大きなメリットです。

(1) 早い段階で大きな失敗に気づくことができる
(2) より具体的な要件が明らかになる
(3) 憶測に頼った無駄な議論がなくなる
(4) 問題解決のスピードを加速させる

検証したい内容に沿って、検証に必要なレベルのものを、適切な手段で、スピーディーに作成することがポイントになります。

プロトタイプの代表的な手段

1.画面で表現
ウェブサイト、アプリ、受付機などの操作のやりとりや画面のデザインをパワーポイントなどを使って表現する
2.紙で表現
パンフレットやチラシ、案内板、サインなどをパワーポイントなどを使って作成し、原寸大で出力する
3.人で表現
受付でのやりとりや検査室でのやりとりなど、台本を作ってスタッフが演じる
4.空間で表現
パワーポイントなどで作成して出力する、段ボールなどで空間を仕切る、あり合わせの小道具を配置するなどして、既存の空間に手を加える
5.モノで表現
既存の製品や近いものを見立てて手を加える。紙や発泡スチロール、3Dプリンターなどを使って実際の形を表現する

【図 :1】プロトタイプ作成ステップ(例)

【図 :1】プロトタイプ作成ステップ(例)

プロトタイプを作るときに使える便利なツールを下記に並べました。
(1) パワーポイント/キーノート(簡単な操作で、クリック可能なボタンやアニメーションなどを挿入できる)
(2) 段ボールロール/ハレパネ/段ボールシート(簡単に空間を作ったり、仕切ったりできる)
(3) 3Dプリンター(細かい形状でも手軽に造形できる)

プロトタイプ(簡単な試作品・試行サービス)が出来れば、患者さんをお招きし、使って頂き、評価してもらうことで、よりよい解決策(ソリューション)となるように検証を進めていきます。
次号 HX Design Lecture chapter 06 - 24. 「患者さんを招き、ソリューションを評価してもらう」にてご案内致します。

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