ジャーニーマップを作る

ジャーニーマップは、ゴールに沿ってペルソナが体験していることを時間に沿って視覚化したマップです。ジャーニーマップを作ることで、患者さんの体験のどこに大きな問題/機会があるのか把握することができます。また、一連の患者さんの体験の中で、患者さんの満足度を引き下げているボトルネックを詳細に把握することもできます。ジャーニーマップを作成する際のポイントは、あくまで患者さんの視点で、患者さんのゴールに焦点を当てて体験をマップ化すること。したがって、ジャーニーマップの範囲が、患者さんの家、ウェブサイト、病医院までの道のり、駐車場、薬局等に広がることもあり得ます。
ジャーニーマップは、ステージ、タッチポイント、体験、感情曲線の4つの要素を使ってマップ化していきます。

【ステージ】
ステージは、ゴールに到達するまでに患者さんが体験するステップを、患者さんの視点で定義したものです。取り扱うテーマによってステージは変わってきます。典型的なステージとしては、症状に気づく、病院を探す/選ぶ、検査を受ける、治療する、日常生活を送る、といったステージに分けることができるでしょう。待ち時間の改善であれば、病院を探す/選ぶ、予約する、移動する、受付する、待つ、検査を受ける、待つ、診察を受ける、待つ、支払う、次の予約をする、帰宅する、といったステージになります。
【タッチポイント】
ステージに沿って患者さんとのやりとりをもたらしている接点を洗い出します。医師や看護師、事務スタッフ、患者さんの家族、その他の患者さんなどそこにいる人、空間、光、音、匂いなどの環境、受付カウンターや椅子、絵画などのモノ、医療機器や案内サインやテレビなど、患者さんの経験に影響をもたらす可能性のあるすべての要素を洗い出しましょう。
【体験】
それぞれのタッチポイントで、患者さんが実際にどのような体験をしているのか、観察やインタビューの結果に基づいて書き出していきます。「大きな声で名前を呼ばれて恥ずかしい」「スタッフが足早に通り過ぎて行って無視された気持ち」など、患者さんの感情に焦点を当てて記述します。
【感情曲線】
一連の体験を通じて患者さんの気持ちがどのように推移したのか、一本の曲線を使って表します。ポジティブな感情、ネガティブな感情、それぞれのピークがどこかを意識しながら描いていくといいでしょう。

ペルソナやジャーニーマップは患者さんの経験について共通認識を持つためのツールです。多様な関与者が集まってワークショップ形式で作成していくことで、より深い共通認識が得られ、参加者の主体性も高まります。

【図:1】ジャーニーマップ

【図:1】ジャーニーマップ

Tool Boxからジャーニーマップのサンプルシートと、「タッチポイント」のテンプレート例がダウンロードできます。尚、当サンプルは、当コンテンツのために、「架空のうつ病患者さん」を想定してご用意しています。実際にジャーニーマップを作る際には、各テーマにあった、「ステージ」や「タッチポイント」に変更してください。

Tool Box からジャーニーマップのサンプルシートと、「タッチポイント」のテンプレート例がダウンロードできます。

その他ツール(共感マップ、ペルソナ、ワークショップガイドなど)もご利用いただけます

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