HX Catch Up:多職種連携とジャーニーマップ


執筆者: 株式会社大伸社 コミュニケーションデザイン
代表取締役 上平泰輔
執筆日:2019.1.08


全国各地で開催されている多職種連携研修に、休日にもかかわらず、医療・介護関連の多くの専門職の方が参加されています。参加された方々のお話からは、多職種連携の重要性、必要性、有用性を強く感じておられる反面、 時間がない日常の中で具体的にどのように推進すればよいか、というお声も上がっているようです。

「デザイン思考」の代表的な手法である、「ジャーニーマップ」は、海外の医療・介護の現場で、「効率的かつ効果的に患者さんの情報共有が図れ、解決策の立案がしやすい」ことから、患者さんの満足度向上や多職種連携のワークショップに多く使われています。
(「デザイン思考」とは行動観察やインタビューから、利用者の方の深いニーズを理解し、そこから解決策を導き出す考え方や手法で、 「ジャーニーマップ」とは患者さんなど当事者の方が体験されたこと、その時の気持ちをマップ化したものです )。

【図:1】第1回 地域包括ケアEXPO[東京]会場で掲示されたジャーニーマップサンプル(2018.10.23 幕張メッセ)

第1回 地域包括ケアEXPO[東京]会場で掲示されたジャーニーマップサンプル(2018.10.23 幕張メッセ)

では、ジャーニーマップが広く使われているのはなぜでしょうか。 以下の効用が、広く使われている理由と言われています。

  • 患者さんの経験全体を、参加者全員が簡易に俯瞰して理解できる。
  • 患者さんの行動と感情のつながりを発見できる。
  • 参加者全員が患者さんに対して感情移入ができ、同じレベルで理解が深まる。
  • 患者さんから見た、医療・介護従事者、ご家族、薬など、重要なタッチポイントを把握できる。
  • うまくいっていない状態や問題点を俯瞰して明らかにできる。
  • 全体的な視点から個々の問題解決方法が考えられる。
  • 問題解決の優先順位が患者さんの視点で付けやすくなる。
  • 患者さんにとっての理想の経験を実現する方法を考えやすくなる。

ジャーニーマップは、複数の患者さんに対するインタビューや観察など、準備段階で必要なことはありますが、今後、国内の医療・介護の現場において、比較的短時間で取り組めるグループワークとして、患者さん情報の共有と改善策の検討の目的のために活用される、極めて有効な手法ではないかと思います。

※ジャーニーマップについては、本サイト「レクチャー16.ジャーニーマップを作る」を参照ください。

HX Design Lecture chapter 04. 患者さんのインサイトを共有する

16.ジャーニーマップを作る

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