【Web Excellent Pharmacy 第5回】Community Pharmacy - 株式会社サンキュードラッグ

平野 健二

株式会社サンキュードラッグ/代表取締役社長兼CEO

平野 健二氏

赤川 信一郎

株式会社サンキュードラッグ/人財育成部長

赤川 信一郎氏

「より多くの人々の より健康で より豊かな生活の実現」

URL:https://www.drug39.co.jp/
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ドラッグストアと保険薬局を併設 狭小商圏で成立する店舗づくり

福岡県北九州市、山口県下関市を中心に薬局・ドラッグストアを73店舗(うち保険薬局は58店舗)展開し、現在薬剤師190名、事務273名のほか1,293名が従事している株式会社サンキュードラッグ。

創業は1956年。戦後の北九州市門司区で栄えた商店街でわずか11坪の薬店からスタートした。2代目の代表取締役社長兼CEO 平野健二氏は、地域のお客様にとって身近な薬局を実現するため、1990年代よりドミナント展開を経営戦略の要としてきた。

「高齢化が進む中でも、北九州地区は特に高齢者が多く暮らす街です。高齢者でも歩いて店舗に到着できる事を第一に考え、弊社は1kmごとの店舗展開、つまり半径500m圏内の“狭小商圏”で成立する業態づくりを行なってきました。その中で、全国でもいち早く保険調剤を行う薬局を併設するスタイルを核とし、医療用医薬品のみならず一般用医薬品、健康食品を含め、地域住民の健康を丸ごとサポートする体制を整えています」と人財育成部長の赤川信一郎氏は話す。

複数店舗で一元管理を実現する「かかりつけネットワーク」を導入

早くから電子薬歴を導入し、現在は全店舗の薬歴を共有している。

「医療安全の観点から薬物治療の一元管理を行い、処方の重複や副作用を防ぐことが一番の目的です。また、これにより患者は1カ所の薬局に捉われることなく、生活スタイルや受診する医療機関に応じて、その時々で身近にある店舗に行くことができます。どの店舗で調剤しても処方内容だけでなく、服薬指導の履歴を把握した薬剤師の説明を受けることができるため、医療の質を維持しつつ、利便性も同時に提供しています」。

これを「かかりつけネットワーク」と呼び、ドラッグストアの店舗でリーフレットを配布、ウェブ媒体でも発信するなど啓発を行なっている。

かかりつけネットワーク構想
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かかりつけネットワーク構想

「将来はドラッグストアで購入したOTC医薬品や健康食品の履歴を薬歴に反映すれば相互作用が見つかる可能性もありますし、菓子など食品購入の履歴から生活習慣病の方の食生活が把握できるようになるかもしれません。また、調剤主体の店舗と大きく異なるのは、医療を受けるために保険薬局に来られるのは非日常といえますが、ドラッグストアを利用するのは日常です。服薬期間中のフォローについても患者さんが地域で暮らす生活者として買い物に来るタイミングを利用して、いかに接点を増やしていくかを重要視しています」。

薬剤師と管理栄養士の連携による二次予防への取り組み

薬剤師だけでなく約60名の管理栄養士が在籍している同社。管理栄養士がプログラムに基づいてマンツーマンの運動・栄養指導を提供する会員制サービス『サンキュースマイルクラブ』、集団型の体操教室などを展開し、未病の段階から地域住民の健康づくりをサポートしている。

「利用されるのは中高年の方が中心となります。生活習慣病の改善に向けた指導をしていますが、ご自身では食事療法や運動療法を継続することが困難なケースもあるので、今後は、専門・認定資格を取得した薬剤師と管理栄養士がタッグを組んで、その方を多方面からサポートしていけるような体制を構築したいと考えています」。

また、育児相談会は店舗ごとに開催され、管理栄養士が中心となり妊娠中の母親の食事や体重管理のサポート、出産準備品の相談、赤ちゃんの発育状況の確認や、離乳食のすすめ方について等の悩みに答えている。

医療人たる薬剤師を育成する教育研修制度も充実

入社時の社会人としてのビジネスマナー研修のみならず、漢方・栄養、さらには労務管理や経理と行ったプラスαのスキルを身につけることができる社内資格講座のほか、「医療人たる薬剤師」を育成するため、入社1年目よりOJTと並行した集合研修、大学教授を招いての研修、各種学会参加・発表を通じて配属店舗によって知識格差を生じさせないよう教育に注力している。

「ジェネラリストとして必要なことは、処方せんを読み込んで解析し、どこまでその患者さんへ対応できるのか考えることが出来るように教育をしています。薬機法が改正されたのちも、専門医療機関連携薬局ではなくても日頃から専門的な知識が必要な処方せんを受けているので必要とされる能力です」。

また、10年前から「薬局症候学」と称し、OTC医薬品の研修にも力を入れて取り組んでいる。「全8回の講座で、症状の聞き取りから適切なトリアージができるよう判断のポイントを学びます。講座の中では実際に商品を手に取り、各ブランドの比較や配合の違い、患部の状態に合わせた剤形の選び方など、OTC医薬品についての薬剤師の顧客対応力と判断力の向上を目指しています」。

また、専門・認定資格に向けて取り組む薬剤師を経済的に支援する「生涯学習奨励制度」も設け、専門的な診療科の患者への対応や、在宅医療の現場においても、患者・家族、他職種から頼られる存在になってもらうことを目標としている。

その他、業界団体などが主催するアメリカ研修にも積極的に参加。「アメリカの薬局・ドラッグストアの成り立ちや、その中で予防接種まで行うアメリカの薬剤師業務について学び、さらに現地の薬学部教授とのディスカッションや、高齢者施設でのコンサルティングなど先進的な取り組みを実際に体験することなどで、現状の制度に振り回されることなく先を見据えた戦略を立案・実行できる人財の育成を目的としています。希望者は、レポート提出により選考会を行います。年功序列ではありませんので、昨年は熱意ある一年目と中途採用の薬剤師が参加しました」。

多種多様なキャリアプランと働き方を実現

調剤・在宅業務に従事する薬剤師だけでなく、薬剤師として入社した人が目指せるキャリアプランも多種多様に用意している同社。薬局長、エリア長の他にもマネジメントを行う店舗運営部や採用・育成を担う人財育成部、マーケティング部、在宅や配食事業を展開する部門など多くの役割があり、ドラッグストア部門でも多くの薬剤師が活躍する。また、短時間勤務やエリア限定といったライフスタイルとの両立を支援する制度も設けており、子育てとの両立のため短時間勤務をしながらエリア長として活躍している女性薬剤師もいる。

地域で生きていくことは 患者・地域住民のことを第一に考えること

今後も北九州市を中心に、ドミナント展開を進めていく考えの同社。

「今後、国民医療費の増大を抑えるには単価を抑えるしかなく、薬価改定も相まって薬局経営は益々厳しくなると考えられます。今後5年、10年の間に大幅に薬局数が減少していく可能性もあるなか、弊社の店舗は必ず地域の方々にとって便利な場所にあり、皆さまの“かかりつけ”であり続けることがテーマです」と赤川氏。

実現のためには教育はもちろん、薬局のオペレーションを見直し、機械化で効率化をはかり、薬剤師が患者と接点を持つことに専念できる状況を整備していくことも重要だという。

「また、薬機法が改正された時には当然、地域連携薬局として、かかりつけを目指していくわけですが、もう少し踏み込んで専門医療機関連携薬局とWライセンスを取ることも考えています。そういった薬局をエリアの中で1、2店舗、基幹病院の立地に合わせてドラッグストア併設店舗でも獲得していきたい。国の制度の本旨に基づいて、患者さん、地域住民のことを第一に考えた経営を継続させていきたいと思います」。

健康フェアの案内

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健康相談会の様子

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