ケアマネジャーに聞く 認知症の方への服薬サポート

他人の人はどうしてるの?気になる情報をご紹介

ケアマネジャー100名に「医療従事者や患者とのコミュニケーション」についてアンケートを実施しました。その中で、今回は「認知症患者への服薬サポート」をテーマにアンケート結果の要約と、そこから見えてきた課題と解決への取り組みをご紹介します。

アンケート実施期間:2018年11月12日~12月6日
対象:ケアマネジャー様100名
募集方法:カナミッククラウドサービス上で募集

アンケート集計結果

ケアマネジャーと医師・薬剤師とのコミュニケーション

ケアマネジャーと医師・薬剤師との連絡頻度は月1回以下が最多開く

ケアマネジャーと医師・薬剤師との連絡は、ともに「月1回」が最も多い回答となりました。半数以上のケアマネジャーが「月0回~1回」の連絡頻度と回答しており、8割~9割の方が「月3回」以下の連絡という結果になりました。

ケアマネジャーと医師・薬剤師との連絡頻度

ケアマネジャーは、医師・薬剤師と患者さんの状況・状態の共有を行っています開く

ケアマネジャーと医師・薬剤師はどんな情報を共有しているのでしょうか。本アンケートの回答では、医師に対しては、状態の変化に関する確認をしたり、医療的視点からのアドバイスを求めるなど、諸症状の相談がみられました。

また、薬剤師に対しては、処方薬に関する確認、服薬後の変化についてのアドバイスなど、薬にまつわる相談がみられました

他のケアマネはどんな情報を共有しているの?

多職種連携の中で共有されていることがら開く

医師・薬剤師ともに「利用者の状態・状況」の共有が主となりました。

医師に対しては、状態の変化に関する確認をしたり、医療的視点からのアドバイスを求めるなど、諸症状の相談が多くみられました。

薬剤師に対しては、処方薬に関する確認、服薬後の変化についてのアドバイスなど、薬にまつわる相談が多くみられました。

  • 利用者様のADL、認知症状、服薬状況
  • 利用者様が服用する薬の効果、それによる体調の変化
  • 利用者の在宅での生活ぶり、特に認知症患者であれば問題行動
  • 服薬状況の確認、飲み忘れ薬の保管場所
  • 居宅療養管理指導報告書、処方内容、状態観察把握
  • 服薬の習慣づけの方法や飲み方
  • 薬剤の変更や追加、副作用

ケアマネジャーの課題解決への取り組み

認知症患者や患者家族とのコミュニケーションや服薬サポートについてはさまざまな苦労があるようです。介護現場での服薬に関する課題と、課題解決のための服薬サポート事例をご紹介します。

●課題

ケアマネジャーの課題解決への取り組み

認知症患者への服薬サポート事例

事例1.お薬カレンダーやお薬ボックスを導入し、薬の飲み忘れや飲みすぎを防ぐ開く

軽度の認知症で比較的自己管理ができる場合は有効な方法のようです。
ポイントはその日飲む薬がまとまっており、迷わないこと。

カレンダーやボックスに日ごとに小分けすることで多重服薬を防ぐ効果も期待できます。
まずは飲み忘れや飲みすぎを減らすところを目指しましょう。

一方で、薬に懐疑的だったり、重度の認知症患者では上手くいかないケースも……。

<アンケートの回答内容より>

  • 1人暮らしの認知症の利用者様へお薬カレンダーを使用し対応しています。
  • 認知症患者への飲み忘れ防止にお薬カレンダーへチェックし、これを定期的に薬剤師に管理してもらっています。

事例2.薬の一包化や服薬回数を調整することで、スムーズな服薬管理を実現開く

薬の種類や量が多いと、飲み忘れる機会が増えてしまいますし、服薬に手間がかかり、飲むのをやめてしまう患者さんもいらっしゃいます。

医師や薬剤師に相談し、一包化することで服薬の手間を減らすことができます。
お薬カレンダーやお薬ボックスと併用するとより効果的です。
また、服薬のタイミングを家族在宅時に調整することで家族からの声掛けも期待できます。

<アンケートの回答内容より>

  • 認知症患者さんにはできるだけ、薬を一包化して1日1回にできるように医師や薬剤師に提案しています。訪問介護の自立支援による見守り的援助の服薬介助で介入させ、確実な服薬ができた症例は数件あります。
  • 服薬管理が困難な認知症患者さんに対して、主治医に相談を行い、薬の量を調整し服薬可能な回数に調整した結果、成功しました。主治医と共に半年かけて成功できたことがよかったです。

事例3.サービス提供時に服薬介助を依頼することで、確実に服薬できる環境を用意開く

訪問ヘルパーや看護師、配食サービスの方など関係者に配薬を依頼します。
薬の回数を調整してもらい、服薬時に上記サービスを利用してもらうことで確実に飲めるようにするなど、薬の一包化や服薬回数の調整と組み合わせる方もいらっしゃいました。

デイサービスを利用されている方の場合は、事業所と情報を共有することでサービス提供時に飲むようにしているようです。

<アンケートの回答内容より>

  • 自己管理できない認知症患者さんの薬をデイサービスに持参し、デイサービスで朝の薬を飲むように依頼したことで、飲み忘れが無くなりました。
  • 自己管理ができない認知症患者さんに、毎日ヘルパーが訪問し、薬を手渡しの上飲んでもらっています。
  • 独居の認知症患者さんの服薬方法を関係事業所と話し合い、サービス介入時に服薬してもらうことでうまくいっています。
  • 家族が就労の為、日中独居になってしまう認知症患者さんがいらっしゃいます。薬をみると内容など考えずに薬を飲んでしまっていましたが、服薬回数を調整し家族が管理できる朝や夜に提供することで飲めるようになりました。
  • 認知症の進行で服薬管理が全くできない利用者様に対し、週間での管理はどうかと考え、1週間ずつ紙に大きく日付と曜日を書き、その下に薬をテープで貼っていつも座っているテーブルの上に置いたところ飲める日が続きました。
  • 高血圧の症状がある認知症患者さんに対し、ヘルパー、訪問看護師、デイサービスを利用し協力をしてもらうことで毎日服薬できるようになり、血圧は安定しています。

事例4.薬剤師による居宅療養管理指導で服薬管理を改善開く

薬に懐疑的であったり、病気や薬の重要性を理解されていない方の場合、薬を飲んでくれないケースがあります。
そういったケースでは、薬剤師による居宅療養管理指導をケアプランに入れることで改善したとの声が見られました。

<アンケートの回答内容より>

  • 認知症が原因で服薬管理ができておらず残薬が多かったご夫婦に、居宅療養管理指導を入れたことで、認知症の薬が服用でき穏やかになりました。

まとめ

服薬管理の改善のために大切なのは、医療関係者、介護専門職の方々、ご家族との連携(コミュニケーション)です。

今回のアンケート結果から、利用者の周りにいる医師や薬剤師、訪問ヘルパー、看護師など多職種との連携が服薬管理の改善の鍵を握っているということが見えてきました。

患者さんの症状や環境を多職種間で共有し、改善のために共通の認識を持つことで、さまざまな施策を検討・実施できるようになります。

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