ツイミーグの臨床成績:国内第3相試験[TIMES 1 試験:単独療法試験]


「禁忌を含む使用上の注意」等については電子化された添付文書をご参照ください。

国内第3相試験[TIMES 1 試験:単独療法試験]
[検証的試験]TIMES:Trials of IMeglimin for Efficacy and Safety

社内資料:国内第3相試験(単独療法)[承認時評価資料]

試験概要開く

【試験デザイン】 第3相、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験
【目的】 日本人2型糖尿病患者を対象として、ツイミーグ1,000mgを1日2回(2,000mg/日)で経口投与したとき、投与24週間後のHbA1cを改善するかをプラセボと比較して評価する。
【対象】 12週間以上、食事・運動療法以外の糖尿病未治療または他の経口血糖降下薬の単独療法で、血糖コントロールが不十分(7.0%≦HbA1c<10.0%※1)な日本人2型糖尿病患者213例(20歳以上、eGFR≧45mL/min/1.73m2 ※2)[FAS集団:212例、安全性解析対象集団:213例]
【方法】 スクリーニング期(未治療の患者では2週間、1種類の経口血糖降下薬による前治療を受けていた患者では1週間のスクリーニングおよび8週間のウォッシュアウト)および4週間の単盲検プラセボ導入期の後、1:1の比でプラセボまたはツイミーグ1回1,000mgのいずれかに無作為化した。プラセボまたはツイミーグ1回1,000mgを朝、夕の1日2回経口投与し、24週間の二重盲検期を開始した。なお、朝および夕の食事中または食事直後の服用を推奨した。無作為化のとき、前治療状況(未治療、SGLT2阻害剤、その他の経口血糖降下薬)および無作為化前来院時のHbA1c(8.0%未満、8.0%以上)を層別因子とした。

試験概要
【主要評価項目】 24週時のHbA1cのベースラインからの変化量※3
【重要な副次評価項目】 24週時のHbA1c改善目標達成割合※4
【その他の副次評価項目】 24週時のベースラインからの変化量※3[空腹時血糖、空腹時血清インスリン、プロインスリン、Cペプチド、QUICKI、HOMA-IR、HOMA-β、プロインスリン/インスリン比、プロインスリン/Cペプチド比、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド、hsCRP]、HbA1c改善目標※5達成割合、レスキュー治療※6患者割合
【安全性評価項目】 有害事象、副作用、体重(ベースラインからの変化量の要約統計量を評価時点ごとに算出) 等
【解析計画】 有効性評価項目はいずれもFAS集団を対象に解析した。
有効性の主要評価項目は、主解析として、投与群、評価時点、層別時の前治療状況、投与群と評価時点の交互作用を固定効果、ベースライン時のHbA1cを連続共変量とし、無構造の分散共分散構造を仮定したMMRMを用いて、ベースラインからの変化量の最小二乗平均値およびツイミーグ群とプラセボ群の最小二乗平均値の差と95%信頼区間、並びにp値を算出した。なお、投与群の比較の名義的有意水準は両側5%とした。また、投与24週までに治験薬を中止した場合、主解析には投与中止後7日までのデータを用いた。HbA1c(%)のベースラインからの変化量の最小二乗平均を95%信頼区間と共に投与群および評価時点(4週おき)別にグラフで示し、経時的な傾向を検討した。
有効性の重要な副次評価項目については、投与群、層別時の前治療状況を固定効果、ベースライン時のHbA1cを連続共変量としたロジスティック回帰モデルを用いて解析し、ツイミーグ群とプラセボ群のオッズ比とその95%信頼区間、並びにp値を算出した。治験薬投与を中止した場合を含め、投与24週時のHbA1cを有しない患者は、目標未達成として集計した。なお、主要評価項目と副次評価項目間での検定の多重性は、主要評価項目で有意であった場合のみ副次評価項目の検定を実施する固定順序法にて調整した。
その他の副次評価項目(空腹時血糖等連続変数)では、投与群、評価時点、層別時のHbA1cおよび前治療状況、投与群と評価時点の交互作用を固定効果、各ベースライン値を連続共変量とした無構造の分散共分散構造を仮定したMMRMを用いて、主要評価項目と同様の解析を実施した。ベースラインからの変化量の最小二乗平均を95%信頼区間と共に投与群および評価時点(4週おき)別にグラフで示し、経時的な傾向を検討した。主要評価項目について、腎機能(CKD1:eGFR≧90mL/min/1.73m2、CKD2:60≦eGFR<90mL/min/1.73m2、CKD3a:45≦eGFR<60mL/min/1.73m2)・年齢(65歳未満、65歳以上)等の部分集団解析を主要評価項目と同様のMMRMを用いて実施した。

※1:治療歴なしの場合;スクリーニング時および無作為化前来院時▶7.0%≦HbA1c<10.0%
   治療歴ありの場合;スクリーニング時▶7.0%≦HbA1c≦9.0%、無作為化前来院時▶7.0%≦HbA1c<10.0%
※2:日本人用MDRD(Modified Diet in Renal Disease)式による推算糸球体濾過量(eGFR);
   スクリーニング時▶eGFR≧50mL/min/1.73m2、無作為化前来院時▶eGFR≧45mL/min/1.73m2
※3:治験薬の投与を中止した場合は投与中止7日後までのデータを使用
※4:HbA1cが7.0%未満を達成した患者の割合、およびHbA1cのベースラインからの相対減少率が7%以上であった患者の割合。ただし、24週時のデータが欠測、または24週時の評価が治験薬の投与中止7日後より後ろの場合は「改善なし」
※5:24週時のHbA1cが6.0%未満と定義。ただし、24週時のデータが欠測、または24週時の評価が治験薬の投与中止7日後より後ろの場合は「改善なし」
※6:二重盲検期中に高血糖またはHbA1c高値のためにレスキュー治療を要し、治験薬の投与を中止

患者背景(ベースライン時)

患者背景(ベースライン時・FAS集団)

平均値±標準偏差
CKD1:eGFR≧90mL/min/1.73m2、CKD2:60≦eGFR<90mL/min/1.73m2、CKD3a:45≦eGFR<60mL/min/1.73m2

HbA1cの変化量[24週時]

投与24週時におけるHbA1cのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は、プラセボ群で0.15%、ツイミーグ群で-0.72%であり、ツイミーグ群とプラセボ群との差[最小二乗平均値(95%信頼区間)]は、−0.87%(−1.041~−0.691)であり、プラセボ群に対する優越性が検証されました(p<0.0001、MMRM)。

HbA1c のベースラインからの変化量〈主要評価項目:24週時〉(FAS 集団)

HbA1cのベースラインからの変化量の推移は、以下のとおりでした。

HbA1c のベースラインからの変化量の推移〈24週〉(FAS 集団)

HbA1c目標達成割合[重要な副次評価項目]

投与24週時にHbA1c 7.0%未満を達成した患者の割合は、プラセボ群で7.5%(8例)、ツイミーグ群で35.8%(38例)であり、ツイミーグ群はプラセボ群よりも有意に高く、プラセボ群に対する調整済みオッズ比(95%信頼区間)は14.68(5.39~40.02)でした(p<0.0001、ロジスティック回帰モデル)。

HbA1c 7.0% 未満達成割合〈重要な副次評価項目:24週時〉(FAS 集団)

空腹時血糖の変化量[24週時]

投与24週時における空腹時血糖のベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は、プラセボ群で12.88mg/dL、ツイミーグ群で−5.65mg/dLであり、ツイミーグ群とプラセボ群との差[最小二乗平均値(95%信頼区間)]は−18.53mg/dL(−24.439~−12.617)であり、プラセボ群と比較して空腹時血糖が有意に低下しました(p<0.0001、MMRM)。

空腹時血糖のベースラインからの変化量〈副次評価項目:24週時〉(FAS 集団)

空腹時血糖のベースラインからの変化量の推移は、以下のとおりでした。

空腹時血糖のベースラインからの変化量の推移〈24週〉(FAS 集団)

インスリン関連指標の変化量[その他の副次評価項目:24週時]

投与24週時におけるインスリン関連指標のベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は、空腹時インスリンはプラセボ群で−0.20μIU/mL、ツイミーグ群で0.56μIU/mL、Cペプチドはプラセボ群で−30.2pmol/L、ツイミーグ群で−3.6pmol/L、HOMA-IRはプラセボ群で0.13、ツイミーグ群で0.20であり、いずれもプラセボ群と比較して有意差はみられませんでした(MMRM)。
投与24週時におけるHOMA-βのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は、プラセボ群で−2.71%、ツイミーグ群で3.53%であり、プラセボ群と比較して有意な改善がみられました(p=0.0002、MMRM)。

インスリン関連指標のベースラインからの変化量〈副次評価項目:24週時〉(FAS 集団)

主要評価項目/部分集団解析

年齢別の部分集団解析では、投与24週時におけるHbA1cのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は、プラセボ群の65歳未満で0.23%、65歳以上で0.02%であり、ツイミーグ群の65歳未満で-0.70%、65歳以上で-0.75%であり、65歳未満と65歳以上ともにプラセボ群と比較して有意な改善がみられました(p<0.0001、MMRM)。

腎機能別の部分集団解析では、投与24週時におけるHbA1cのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は、プラセボ群のCKD1(eGFR≧90mL/min/1.73m2)の患者で0.26%、CKD2(60≦eGFR<90mL/min/1.73m2)の患者で0.14%、CKD3a(45≦eGFR<60mL/min/1.73m2)の患者で0.04で、ツイミーグ群のCKD1の患者で−0.33%、CKD2の患者で−0.82%、CKD3aの患者で−0.66%であり、CKD2とCKD3aにおいて、プラセボ群と比較してHbA1cのベースラインからの変化量が有意に低下しました(p<0.0001[CKD2]、p=0.0007[CKD3a]、MMRM)。

HbA1c のベースラインからの変化量〈24週時〉(FAS 集団)

安全性(安全性解析対象集団)

副作用は、安全性解析対象集団213例中、プラセボ群で107例中7例(6.5%)、ツイミーグ群で106例中5例(4.7%)に認められました。主な副作⽤(発現例数2例以上)は、プラセボ群が高血糖2例(1.9%)、ツイミーグ群が低血糖2例(1.9%)でした。また低血糖(症候性低血糖かつ/または血糖値70mg/dL未満)は、プラセボ群で1例(0.9%)、ツイミーグ群で2例(1.9%)に認められました。
本試験において、死亡および重篤な副作用は認められませんでした。また、治験薬の投与中止に至った副作用は、プラセボ群で2例(高血糖)、ツイミーグ群で1例(下痢および嘔吐)に認められました。

副作用

MedDRA version 20.1
例数(%)

24週時のベースラインからの体重の変化量はプラセボ群-0.29kg、ツイミーグ群-0.21kgでした。

体重の変化量

関連情報

糖尿病/ツイミーグについてもっと知る

ツイミーグ錠の特性はこちら

ツイミーグ錠の臨床成績はこちら

ツイミーグ錠の作用機序はこちら

ツイミーグ錠の製品基本情報はこちら