ツイミーグの臨床成績:国内後期第2相試験〔用量反応検討試験〕


「禁忌を含む使用上の注意」等については電子化された添付文書をご参照ください。

国内後期第2相試験〔用量反応検討試験〕

社内資料:国内後期第2相試験[承認時評価資料]

本試験は用量反応検討試験のため、一部承認外の用法及び用量の成績が含まれますが、承認時評価資料のため紹介します。

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【試験デザイン】 後期第2相、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験
【目的】 〔主要目的〕日本人2型糖尿病患者を対象として、ツイミーグを3用量(500mg、1,000mgまたは1,500mgを1日2回)で経口投与したとき、24週間後のHbA1cのベースラインからの変化量をプラセボと比較検討する。
〔主な副次目的〕日本人集団におけるツイミーグの至適用量を評価する。
【対象】 12週間以上、糖尿病未治療または他の経⼝⾎糖降下薬の単独療法で、⾎糖コントロールが不⼗分(7.0%≦HbA1c<10.0%)な⽇本⼈2型糖尿病患者299例(20歳以上75歳以下)[FAS集団:296例、安全性解析対象集団:299例]
【方法】 スクリーニング期(未治療の患者では3週間、1種類の経口血糖降下薬による前治療を受けていた患者では1週間のスクリーニング)、6または10週間のウォッシュアウト・単盲検プラセボ導入期の後、1:1:1:1の比でプラセボまたはツイミーグ3用量のいずれか(ツイミーグ1回500mg、1,000mgまたは1,500mgを朝、夕の1日2回)に無作為化し、24週間の二重盲検下で経口投与した。なお、朝および夕食事中または食事直後の服用を推奨した。無作為化の際、前治療状況(未治療、スルホニルウレア剤または速効型インスリン分泌促進薬、その他の経口血糖降下薬)および無作為化前来院時のHbA1c(8.0%未満、8.0%以上)を層別因子とした。

試験概要
【主要評価項目】 投与終了時(24週時)のHbA1cのベースラインからの変化量
【副次評価項目】 HbA1c改善目標※1達成割合、二重盲検期※2にレスキュー治療を要した※3患者割合
投与終了時(24週時)のベースラインからの変化量[空腹時血糖、空腹時血清インスリン、空腹時血清Cペプチド、空腹時の血糖値および血清インスリンから求めたQUICKI(quantitative insulin sensitivity check index)、HOMA-IR、HOMA-β、プロインスリン/インスリン比、プロインスリン/Cペプチド比、糖化アルブミン、グルカゴン、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセリド、hsCRP]
【安全性評価項目】 有害事象、副作用 等
【解析計画】 有効性評価項目はいずれもFAS集団を対象に解析した。
有効性の主要評価項目は、主解析として、投与群、評価時点、層別時の前治療状況、投与群と評価時点の交互作用を固定効果、ベースライン時のHbA1cを共変量とし、無構造の分散共分散構造を仮定した反復測定混合効果モデル解析法(MMRM:Mixed-effects Model Repeated Measures)を用いて、ツイミーグ各用量群とプラセボ群との最小二乗平均値の差および95%信頼区間、並びにp値を算出した。なお、ツイミーグ高用量群から順にプラセボ群と対比較する固定順序法にて検定の多重性を調整した。HbA1c(%)のベースラインからの変化量の最小二乗平均を95%信頼区間と共に投与群および評価時点(2週または4週おき)別にグラフで示し、経時的な傾向を検討した。
有効性の重要な副次評価項目であるHbA1c改善目標※1達成割合については、目標値達成有無を従属変数、投与群、層別時の前治療状況を固定効果、ベースライン時のHbA1cを連続共変量としたロジスティック回帰モデルを用いて解析し、ツイミーグ各用量群とプラセボ群のオッズ比およびその95%信頼区間、並びにp値を算出した。
その他の副次評価項目に対しては、投与群、評価時点、層別時のHbA1c、層別時の前治療状況、投与群と評価時点の交互作用を固定効果、各ベースライン値を共変量とし、無構造の分散共分散構造を仮定したMMRMを用いて、主要評価項目と同様の解析を実施した。

※1:投与終了時(24週時)のHbA1c7.0%以下と定義 ※2:投与終了時(24週時)まで ※3:高血糖のために治験を中止した

用量検討の結果

主要評価項目であるHbA1cのベースラインからの投与終了時(24週時)の変化量の最小二乗平均値は、プラセボ群は0.43%、ツイミーグ1,000mg(1日2回)群は-0.51%、ツイミーグ1,500mg(1日2回)群は-0.57%でしたが、ツイミーグ1,500mg(1日2回)群では副作用(特に胃腸障害)の発現割合が他の用量群と比較して高かったことから、以降の国内第3相試験でのツイミーグの「用法及び用量」は1回1,000mgを1日2回(2,000mg/日)としました。

患者背景(ベースライン時)

患者背景(ベースライン時・FAS集団)

平均値±標準偏差

HbA1cの変化量[24週時]

投与24週時におけるHbA1cのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は、プラセボ群で0.43%、ツイミーグ500mg(1日2回)群で−0.09%、1,000mg(1日2回)群で−0.51%、1,500mg(1日2回)群で−0.57%であり、ツイミーグ各用量群のプラセボ群との差[最小二乗平均値(95%信頼区間)]は、500mg(1日2回)群で−0.52%(−0.77~−0.27)、1,000mg(1日2回)群で−0.94%(−1.19~−0.68)、1,500mg(1日2回)群で−1.00%(−1.26~−0.75)であり、いずれの用量群においてもプラセボ群と比較してHbA1cが有意に低下しました(いずれもp<0.0001、MMRM)。

HbA1c のベースラインからの変化量〈主要評価項目:24週時〉(FAS 集団)

6. 用法及び用量
通常、成人にはイメグリミン塩酸塩として1回1000mgを1日2回朝、夕に経口投与する。

HbA1cのベースラインからの変化量の推移は、以下のとおりでした。

HbA1c のベースラインからの変化量の推移〈24週〉(FAS 集団)

6. 用法及び用量
通常、成人にはイメグリミン塩酸塩として1回1000mgを1日2回朝、夕に経口投与する。

HbA1c目標達成割合[副次評価項目]

投与24週時にHbA1c7.0%以下を達成した患者の割合※1は、プラセボ群で8.2%(73例中6例)、ツイミーグ500mg(1日2回)群で15.7%(70例中11例)、1,000mg(1日2回)群で33.3%(66例中22例)、1,500mg(1日2回)群で32.9%(70例中23例)でした。プラセボ群に対する調整済みオッズ比(95%信頼区間)は、500mg(1日2回)群で2.70(0.88~8.27)、1,000mg(1日2回)群で7.76(2.69~22.38)、1,500mg(1日2回)群で8.87(3.05~25.79)であり、1,000mg(1日2回)群および1,500mg(1日2回)群はプラセボ群より達成割合が有意に高値でした(p=0.0001およびp<0.0001、ロジスティック回帰モデル)。

HbA1c7.0% 以下達成割合※1〈重要な副次評価項目:24週時〉(FAS 集団)

※1:ベースライン時のHbA1cが7.0%超であった患者に対する割合

6. 用法及び用量
通常、成人にはイメグリミン塩酸塩として1回1000mgを1日2回朝、夕に経口投与する。

空腹時血糖の変化量[副次評価項目]

投与24週時における空腹時血糖のベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は、プラセボ群で16.6mg/dL、ツイミーグ500mg(1日2回)群で8.0mg/dL、1,000mg(1日2回)群で−8.0mg/dL、1,500mg(1日2回)群で−8.0mg/dLであり、1,000mg(1日2回)群および1,500mg(1日2回)群はプラセボ群と比較して空腹時血糖が有意に低下しました(いずれもp<0.0001、MMRM)。

空腹時血糖のベースラインからの変化量〈副次評価項目:24週時〉(FAS 集団)

6. 用法及び用量
通常、成人にはイメグリミン塩酸塩として1回1000mgを1日2回朝、夕に経口投与する。

安全性(安全性解析対象集団)

副作用は、安全性解析対象集団299例中、プラセボ群で75例中6例(8.0%)、ツイミーグ500mg(1日2回)群で75例中4例(5.3%)、1,000mg(1日2回)群で74例中4例(5.4%)、1,500mg(1日2回)群で75例中18例(24.0%)に認められました。主な副作用(発現頻度2%以上)は、ツイミーグ1,500mg(1日2回)群で悪心、腹部不快感、低血糖各4例(各5.3%)、下痢3例(4.0%)、嘔吐2例(2.7%)が認められ、プラセボ群、ツイミーグ500mg(1日2回)群、1,000mg(1日2回)群では認められませんでした。また副作用の低血糖(症候性低血糖かつ/または血糖値70mg/dL未満)は、プラセボ群で1例(1.3%)、ツイミーグ500mg(1日2回)群で1例(1.3%)、1,000mg(1日2回)群で1例(1.4%)、1,500mg(1日2回)群で4例(5.3%)に認められました。
本試験において、重篤な副作用は認められませんでした。また、治験薬の投与中止に至った副作用は、プラセボ群で1例(高血糖)、ツイミーグ500mg(1日2回)群で1例(高血糖)、1,000mg(1日2回)群で0例、1,500mg(1日2回)群で4例(嘔吐2例、口内炎、異常感各1例)に認められました。なお、本試験において、治験薬との因果関係が否定された重篤な有害事象(遠隔転移を伴う膵癌)を発現した1例(ツイミーグ1,500mg[1日2回]群)の死亡が認められました。

副作用

MedDRA version 19.0
例数(%)

6. 用法及び用量
通常、成人にはイメグリミン塩酸塩として1回1000mgを1日2回朝、夕に経口投与する。

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