パーキンソン病におけるトレリーフの特徴:国内で創製されたパーキンソン病治療薬

開発の経緯

ゾニサミドは、当社における一連のベンズイソキサゾール系化合物の研究の結果、1974年に合成され、抗てんかん剤として開発された化合物であり、1989年3月に抗てんかん剤のエクセグランとして承認を取得、同年6月に販売を開始した。

2000年に、日本人パーキンソン病患者に併発したけいれん発作の治療目的で投与したところ、けいれん発作の消失とともにパーキンソン病症状の改善が認められ1)、レボドパ製剤に加えて他の抗パーキンソン病薬で治療中のパーキンソン病患者を対象とした臨床研究においても、改善効果が確認された2)

これらの報告を受けて、当社はパーキンソン病治療薬としての開発を進め、2009年1月にトレリーフとして承認を取得した。

2013年8月には、パーキンソン病の症状の日内変動(wearing-off現象)の改善を目的として1日1回50mgを投与する用法・用量の一部変更が承認された。

パーキンソン病患者は高齢者の割合が高く、嚥下障害を伴うことが多いため、口腔内崩壊錠を開発し、2014年8月にトレリーフOD錠25mgとして承認された。さらにパーキンソン病の症状の日内変動(wearing-off現象)の改善を目的として1日1回50mgを投薬する場合の患者のコンプライアンス向上や医療従事者の処方簡便化等を考慮し、トレリーフOD錠50mgを開発、2017年8月に承認された。

また、レビー小体型認知症のパーキンソニズムは、パーキンソン病のパーキンソニズムと質的に同じであり、その原因はパーキンソン病と同様に黒質のドパミン神経細胞の変性・脱落と考えられていることから、ゾニサミドがレビー小体型認知症のパーキンソニズムに対しても効果を示すと考え、開発を進めた。国内臨床試験において、ゾニサミドの「レビー小体型認知症に伴うパーキンソニズム」に対する有効性、安全性が確認され、2018年7月に効能・効果及び用法・用量が追加承認された。

1) Murata, M., et al.: Neurosci. Res., 41:397-399, 2001.
2) 村田美穂:内科, 93:713-716, 2004.

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