シュアポストをお飲みになる方へ 食事と血糖値についての大事なおはなし

浜口朋也先生

浜口 朋也 先生
(市立伊丹病院 糖尿病センター長)

食後の高い血糖値は血管を傷つけます。

食事を摂るたびに傷つけられる血管

血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が高くなると、全身の血管や神経にダメージを与えて、さまざまな合併症につながります。血糖管理の不十分な人では日々の食事によって血糖値が急激に上昇し、血管が繰り返し傷つけられてしまいます。

HbA1cは同じでも血糖値の変動の幅は異なることがあります

血糖値の変動の幅

HbA1cは、過去1~2カ月間の血糖値の平均を反映する、糖尿病の良い指標ですが、1日の中での血糖値の変動の様子は分かりません。
HbA1cの値がたとえ良くても、血糖値の変動幅が大きい人は要注意です。

インスリンは血糖値を下げる大切な働きをします。

血糖値を下げる大切な働き

急激な血糖値の変動を抑えてくれるのがインスリンです。
インスリンは、すい臓から分泌されるホルモンで、血液中のブドウ糖を細胞内へ取り込んで、蓄えたり、エネルギー源にしたりする働きがあります。

糖尿病では食事の後にインスリンがうまく出ず、血糖値が上がります。

糖尿病患者さんの血糖値とインスリンの動き

健康な人は、食事によって血糖値が上がるタイミングに合わせてすい臓からインスリンが分泌されます。ところが、糖尿病の人は、(血糖値が上がると出るはずの)インスリンの出る量が少なくなったり、出るタイミングが遅れたり、効きが悪くなったりするため、血糖値がなかなか下がりません。

シュアポストは毎回の食事の直前に服用することにより、食直後のインスリンを補います。

シュアポストを服用したときの血糖値とインスリンの動き

シュアポストというお薬は、飲むとすばやくすい臓からインスリンを分泌させる働きがあります。食事の直前に飲むことで、タイミングよくインスリンを出して、食後に血糖値が高くなるのをしっかり抑えることができます。

シュアポストは毎食直前に服用します。

「いただきます」のその前に

仕事や外出で食事ができなかったり、夕食が遅くなったり(ついつい食べ過ぎてしまったり)等、規則正しい食生活を送ることはむずかしいものです。
シュアポストは、食事ごと(食直前)に服用するお薬です。食事のタイミングに合わせて服用し、血糖値をコントロールするように心がけましょう。
シュアポストが十分効果を発揮するためには、あなたが食事を忘れないように、シュアポストの食直前服用も忘れないようにすることが大事なのです。

低血糖が起きたらすぐに「糖分」を摂りましょう。

低血糖の症状

血糖値が下がり過ぎることを、低血糖といいます。低血糖の症状が出たら、すぐにブドウ糖(5~10g)やブドウ糖を含む飲料水(150~200mL)などを摂りましょう。

注)
α-グルコシダーゼ阻害薬を服用している方は必ずブドウ糖を摂ってください。
ブドウ糖の入手は医師に相談しましょう

糖尿病治療を長続きさせるコツ1日3回の食事を楽しみましょう。

「食事療法」と聞くと、カロリーを抑えた、さびしい食事を連想しがちです。でも、無理な節食や我慢は、長続きしません。
食事は、毎日の生活を彩る幸せの時間ですから、楽しみながら、食事ができるように食事の内容や調理法を考え、継続していきましょう。

糖質量を意識する

糖質量を意識する

食事のカロリー(総エネルギー量)を抑えることは、食事療法の基本ですが、食後高血糖に最も影響するのは、食事中の糖質です。
最近、食事中の糖質量を意識することで、食後高血糖を上手にコントロールしようという試みが普及しています。
食事のカロリーだけでなく、糖質の量や種類にも注意したいものです。

栄養バランスを工夫し、適正なエネルギー量を摂るようにする

食品分類表

献立を立てるためには食品交換表を使って、野菜やお魚、お肉をまんべんなく摂って、栄養素が偏らないようにしましょう。
また、よく噛んで食べる、食物繊維の豊富な野菜から食べるなど、食事の摂り方を工夫することで食後の血糖値の上昇を緩やかにできます。

おやつは上手に選んで楽しむ

現代社会では、三度の食事を規則正しく摂れなかったり、食事と食事の間隔が長くなったりすることが少なくありません。空腹感が強くなり過ぎると、つい食べ過ぎてしまうものです。
たとえば、夕食が遅くなりがちな人は、夕方、少量の間食は仕方がないかも知れません。その際に、ナッツやチーズなど、なるべく血糖値の上がりにくい食品を選び、その分、夕食を軽くすることも忘れないようにしてください。

1日3回、シュアポストの服用を忘れないための工夫をしましょう。

忙しいと、ついついお薬を飲み忘れたり、外出先でお薬を飲もうと思ったのに持って出るのを忘れたということがよくありますね。長年お薬を飲んでいらっしゃる人から教えていただいた「飲み忘れを防ぐ工夫」をまとめました。

シュアポストの飲み忘れを防ぐ5つのヒント!

  1. 自宅では食卓に薬を常備する。はし箱に「くすり」と書いておく。 ※ただし、子供の手の届かないところに保管してください。
  2. 家族(同僚)に、お薬を飲んだかチェックしてもらう。
  3. 朝に1日分をまとめて準備して寝る前に全て飲んだことを確認する。
  4. 必要なお薬を職場に分けて置いておく。また外出の時は、財布やポーチなどに入れておく。
  5. 「食べること」と「お薬を飲むこと」を習慣的に関連付ける。「いただきます」のその前に。