レミッチ:臨床成績 慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善の場合 長期投与試験


レミッチ®により、抗ヒスタミン薬等で十分に効果が認められない(既存治療抵抗性の)かゆみを有する慢性肝疾患患者において、VAS(Visual Analogue Scale)とかゆみスコアの低下が認められました。

VAS及び川島の重症度基準に基づく起床時のかゆみスコアの低下*

抗ヒスタミン薬等で十分に効果が認められない(既存治療抵抗性の)かゆみを有する慢性肝疾患患者を対象とした長期投与試験において、レミッチ®5μg投与により、VAS(起床時・就寝時いずれか大きい方のVAS)及び川島の重症度基準に基づく起床時のかゆみスコアは前観察期間に比べ投与開始2週間後にそれぞれ21.36mm、0.75低下し、以降52週目まで前観察期間に比べて低い値で推移した。レミッチ®の依存性について、精神依存を示す症例は認められなかった。また、122例中、身体依存が1例、耐性が4例に認められた。

VAS変化量及び川島の重症度基準に基づく起床時のかゆみスコア変化量の推移
目的
難治性のそう痒症を有する慢性肝疾患患者を対象として、レミッチ®5μgを52週間経口投与したときの安全性と有効性を検討した。あわせて、依存性に関する調査を行った。
対象
抗ヒスタミン薬等で十分に効果が認められない(既存治療抵抗性の)かゆみを有する慢性肝疾患患者122例
試験デザイン
レミッチ®5μgを52週間投与するオープン試験
方法
予備登録後、前観察期間(2週間)でかゆみに対するベース治療の効果を観察し、前観察期間終了翌日に被験者の適合性を確認の上、本登録した。登録された被験者にベース治療を継続(前観察期間開始日から投与期間4週目まで変更不可及び各評価期間の7日間は前観察期間と一致)した上で、レミッチ®5μgを1日1回52週間、夕食後に経口投与した(カプセル)。有害事象により、2.5μgへの減量(その後、回復もしくは軽快又は因果関係が否定された場合には5μgへ戻すこと)も可能とした。
評価項目
安全性評価項目:有害事象など。
有効性評価項目:VAS変化量、川島の重症度基準に基づくかゆみスコア変化量など。
解析計画・判定基準
安全性:ICH国際医薬用語集日本語版(MedDRA/J Ver.15.1)の器官別大分類、基本語別に有害事象発現頻度及び重篤な有害事象発現頻度を集計し、発現割合とその両側95%信頼区間を算出した。
有効性:各評価期間別のVAS変化量等について平均値等の基本統計量を求めることとした。
副作用
122例中92例(75.4%)に副作用が認められた。
5%以上の頻度で認められた副作用は頻尿( 夜間頻尿を含む)16例(13.1%)、血中プロラクチン増加14例(11. 5%)、便秘13例(10. 7%)、浮動性めまい9例(7. 4%)、血中抗利尿ホルモン増加8例(6. 6%)、総胆汁酸増加7例(5. 7%)であった。
重篤な副作用として、膵癌及び夜間頻尿が各1例に認められた。
投与中止にいたった副作用は8例( 湿疹・ほてり、脂漏性皮膚炎、原発性胆汁性肝硬変、紅斑・そう痒症、睡眠の質低下、浮動性めまい・歩行障害・振戦、膵癌、血中ビリルビン増加が各1例)報告された。
本試験において死亡にいたる副作用は認められなかった。

慢性肝疾患患者の定義

原疾患が確定しており、以下のいずれかに該当する慢性肝疾患患者

  • 肝臓の炎症が6ヵ月以上持続していると医師が判断した慢性肝疾患(慢性肝炎、PBC等)
  • 画像診断により、肝炎からさらに病態が進展した状態にあると医師が判断した慢性肝疾患(肝硬変等)

VAS(Visual Analogue Scale:視覚アナログ尺度)

100mmの水平直線のスケールの左端を「かゆみなし」、右端を「考えられる最大のかゆみ」と設定し、最も強くかゆみを感じたときの「かゆみの程度」を被験者自身がスケール上に「 | 」で記入する。スケールの左端から「 | 」までの距離(mm)をVAS値として扱う。

  • 起床時につけるVAS:前日の就寝時~当日の起床時までのかゆみの程度
  • 就寝時につけるVAS:当日の起床時~当日の就寝時までのかゆみの程度

川島の重症度基準に基づくかゆみの状態

最も強くかゆみを感じたときのかゆみの状態を1日2回、起床時及び就寝時に被験者自身が判定した。起床時及び就寝時におけるかゆみの状態をそれぞれ4から0までのかゆみスコアとして扱った。

  • 起床時のかゆみスコア:前日の就寝時~当日の起床時までの「夜間のかゆみの状態」
  • 就寝時のかゆみスコア:当日の起床時~当日の就寝時までの「日中のかゆみの状態」

【用法及び用量に関連する注意】(抜粋)
〈慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善の場合〉
 本剤の投与は1日1回2.5μgから開始し、効果不十分な場合に1日1回5μgへの増量を検討すること。

【重要な基本的注意】(抜粋)
 本剤の使用により効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。

* 東レ株式会社社内資料(承認時評価資料):慢性肝疾患患者におけるそう痒症に対する効果の検討(長期投与試験)