メトグルコの臨床成績(小児)

10歳以上の小児における用法・用量追加に関する開発の経緯

「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」※1での検討結果を受けて、2010年に厚生労働省より当社に対して開発要請がなされました。
大日本住友製薬はこの要請を受け、メトグルコ®の小児の用法・用量を追加するための臨床試験を実施し、2014年8月に10歳以上の小児に対する用法・用量※2が承認されました。

※1 「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」は、欧米では使用が認められていますが、国内では承認されていない医薬品や適応について、製薬企業による未承認薬・適応外薬の開発を促進することを目的として設置された会議です。厚生労働省が主催し、医学的・薬学的な学識経験者で構成されています。

【参考】メトホルミンは海外では、2000年に米国、2004年に欧州において10歳以上の小児患者への適応が承認されており、現在、欧米を含む50ヵ国以上で小児患者への適応が承認され、市販後の豊富な使用実績があります。

※2 メトグルコの用法・用量:通常、成人にはメトホルミン塩酸塩として1日500mgより開始し、1日2~3回に分割して食直前又は食後に経口投与する。維持量は効果を観察しながら決めるが、通常1日750~1,500mgとする。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最高投与量は2,250mgまでとする。 通常、10歳以上の小児にはメトホルミン塩酸塩として1日500mgより開始し、1日2~3回に分割して食直前又は食後に経口投与する。維持量は効果を観察しながら決めるが、通常1日500~1,500mgとする。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最高投与量は2,000mgまでとする。

小児を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験(長期投与試験)5)

5)大日本住友製薬資料:小児患者を対象とした長期投与試験【承認時評価資料】

本試験は、承認審査資料であるため一部承認効能又は効果、用法及び用量と異なる成績が含まれています。

血糖コントロールの推移(単独および併用投与)

メトホルミン未治療および既治療を含む小児2型糖尿病患者において、HbA1cはメトグルコ投与8週後から低下し、以降52週まで血糖降下作用が維持されました。

血糖コントロールの推移

HbA1cの変化量(治療期最終評価時:24週)

治療期最終評価時(24週)におけるHbA1cの変化量(投与前からの変化量)は、全例が–0.81%、メトホルミン未治療群(単独投与)が–0.76%、メトホルミン未治療群(SU剤への追加投与)が–0.40%、メトホルミン既治療群が–0.98%でした。

HcA1cの変化量

HbA1cの変化量(52週後)

投与52週後におけるHbA1cの変化量(投与前からの変化量)は、全例が–0.66%、メトホルミン未治療群(単独投与)が–0.71%、メトホルミン未治療群(SU剤への追加投与)が–0.45%、メトホルミン既治療群が–0.65%でした。

HbA1cの変化量

HbA1cの変化量(最終評価時:52週)

最終評価時(52週)におけるHbA1cの変化量(投与前からの変化量)は、全例が–0.46%、メトホルミン未治療群(単独投与)が–0.53%、メトホルミン未治療群(SU剤への追加投与)が0.35%、メトホルミン既治療群が–0.56%でした。

HbA1cの変化量

安全性

小児用法・用量追加の臨床試験において、37例中19例(51.4%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められました。 メトホルミン未治療群の単独投与では14例中10例(71.4%)、SU剤への追加投与では4例中2例、α-GI剤への追加投与では2例中2例、メトホルミン既治療群では17例中5例(29.4%)に認められました。主な副作用は下痢(29.7%)、悪心(18.9%)、腹痛(10.8%)等でした。本試験において死亡例は報告されませんでした。また、重篤な副作用および投与中止に至った副作用は認められませんでした。

発現時投与量別消化器症状発現の割合(小児)

メトグルコの投与量増加に伴い消化器症状(下痢、悪心、嘔吐、腹痛)の発現頻度が上昇することはありませんでした。

発現時投与量別消化器症状発現の割合

血中乳酸値(小児)

●血中乳酸値上昇の発現頻度(小児)
基準値(3.0~17.0mg/dL)上限の2倍を超えた乳酸値上昇が4例に認められました。いずれも臨床症状は認められず再検査で乳酸低下が確認され、投与は継続されました。

※うち1例では、規定外の乳酸用除蛋白液を使用したため解析から除外となった測定値が基準値上限の2倍を超えていました。

試験方法開く

小児を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験(長期投与試験)5)

5)大日本住友製薬資料:小児患者を対象とした長期投与試験【承認時評価資料】

目 的:
小児2型糖尿病患者を対象に、メトグルコ長期投与時の有効性、安全性および小児の用法・用量を検討する。また、小児2型糖尿病患者での薬物動態を検討する。
対 象:
投与開始前8週間以上にわたって一定の食事・運動療法で、または投与開始前12週間以上にわたって一定の食事療法・運動療法に加えSU剤、α-GI剤または750mg/日以下のメトホルミンを一定の用量で服用しても血糖コントロールが不十分[7.0%≦HbA1c<12.1%]の小児(6歳以上18歳未満)2型糖尿病患者37例。体重44.4〜112.0kg。
試験方法:
試験開始前に「食事・運動療法のみの患者(14例)」は単独で、「食事・運動療法に加えSU剤を服用していた患者(4例)」はSU剤併用下、「食事・運動療法に加えα-GI剤を服用していた患者(2例)」はα-GI剤併用下で、メトグルコを500mg/日(分2)から開始し、1,500mg/日(分2~3)まで段階的に増量して投与した。試験開始前に「食事・運動療法に加えメトホルミン750mg/日以下を服用していた患者(17例)」は、メトグルコを1,000mg/日(分2~3)から開始し、1,500mg/日(分2~3)まで増量して投与した。
いずれの場合も、第13週以降、治験担当医が安全性と有効性を考慮し増量の必要を認めた場合には2,000mg/日を上限として適宜増減を可とした。投与期間は52週間。(治療期24週間、継続治療期28週間)

最頻投与量別の被験者数[継続治療期終了時(52週後)]

最頻投与量別の被験者数[継続治療期終了時(52週後)]
主要評価項目:
HbA1c
副次評価項目:
糖尿病治療目標(HbA1c:7.5%未満および6.05%未満)達成割合、グリコアルブミン、空腹時血糖、空腹時インスリンおよびHOMA-R、空腹時血清脂質(総コレステロール、トリグリセリド、HDLコレステロール、LDLコレステロール)、肥満度
解析計画:
HbA1cについては、治験薬投与開始前にメトホルミンで治療中の被験者集団とメトホルミンで未治療の被験者集団で、最終評価時のHbA1c変化量に対して要約統計量および95%信頼区間を算出する。また、最頻投与量、基礎治療薬別に評価時期ごとのHbA1cおよび変化量の要約統計量を算出し、変化量に対しては95%信頼区間も算出する。

【効能又は効果】
2型糖尿病 ただし、下記のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。
(1)食事療法・運動療法のみ (2)食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
【用法及び用量(抜粋)】
通常、10歳以上の小児にはメトホルミン塩酸塩として1日500mgより開始し、1日2~3回に分割して食直前又は食後に経口投与する。維持量は効果を観察しながら決めるが、通常1日500~1,500mgとする。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最高投与量は2,000mgまでとする。

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