ハロペリドールを対照薬とした第Ⅲ相試験(非劣性試験)

ハロペリドールを対照薬とした第Ⅲ相試験(非劣性試験)

「警告・禁忌を含む使用上の注意」等については添付文書をご参照ください。


大日本住友製薬資料:国内第Ⅲ相臨床試験[ハロペリドールに対する非劣性試験]【承認時評価資料】
村崎光邦:臨床精神薬理,10(11):2059-2079,2007

試験概要

対象

ICD-10研究用診断基準(DCR-10)のF20に属する16歳以上64歳以下の統合失調症患者を対象とし、以下に該当する患者は除外した。

  1. 本試験開始前3ヵ月以内に試験薬又は他の開発中の薬剤を投与された患者
  2. 開始時の主たる状態像が興奮状態・昏迷状態の患者及び荒廃例、難治例の患者
  3. 前治療薬として持効性製剤を投与された患者
  4. 高度な肝臓、腎臓、心臓、血液、消化器疾患の合併症を有する患者
  5. がんの合併又は既往を有する患者
  6. てんかん等のけいれん性疾患、脳器質性疾患等の合併又は既往を有する患者
  7. 血圧が著しく低い患者及び抗精神病薬で起立性低血圧を生じた既往を有する患者
  8. パーキンソン病の患者
  9. 悪性症候群及び類似症状、水中毒の既往を有する患者
  10. 薬物過敏症を有する患者
  11. アルコール濫用歴、薬物濫用歴を有する患者
  12. 妊娠又は妊娠している可能性のある女性、授乳婦
  13. ハロペリドールの禁忌又は慎重投与にあたる患者
  14. その他、試験担当医師が不適当と判断した患者

試験方法

  • 多施設共同無作為化二重盲検比較試験(1997年3月から2000年9月に83医療機関で実施)

試験薬

  • 被験薬:ロナセン 2mg錠、4 mg錠
  • 対照薬:ハロペリドール 1mg錠、3 mg錠
  • それぞれと外観が識別不能であるプラセボ錠

試験方法

① 試験薬の投与方法

  • 適格性を確認した後、被験者を無作為に割付け、ロナセン 8~24 mg/日 又は ハロペリドール 4~12 mg/日 を1日2回、朝食後、及び夕食後に8週間経口投与した。開始用量は ロナセン 8 mg/日 又は ハロペリドール 4 mg/日 とした。
  • 試験開始時に前治療抗精神病薬を使用していない場合は試験薬の単独投与を開始し、前治療抗精神病薬からの切り替えの場合は前治療抗精神病薬をすべて中止した上で試験薬の単独投与を開始することとした。
  • また、原則として週別全般改善度が「軽度改善」以下でかつ忍容性に問題がなければ増量(増量幅:ロナセン 4 mg/日、ハロペリドール 2 mg/日)することとし、忍容性に問題があれば減量を可とした。

※国内におけるハロペリドールの用法・用量:
「ハロペリドールとして、通常成人1日0.75〜2.25mgから始め、徐々に増量する。維持量として1日3〜6mgを経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する」

② 併用禁止薬

試験薬以外の抗精神病薬、epinephrine、terfenadine及びastemizoleは併用禁止とした。

③ 併用制限薬

  1. 抗パーキンソン薬

    抗パーキンソン薬の予防投与は禁止し、試験開始前から使用していた場合は原則として投与2週後までに中止することとした。
    なお、錐体外路症状が発現または増悪した場合は併用を可とした。

  2. 睡眠薬

    睡眠薬は試験開始前より使用していた場合には継続使用してもよいこととした。
    なお、試験開始後に不眠の出現や増強があった場合は追加投与してもよいこととした。

  3. 抗不安薬、抗うつ薬等

    抗不安薬及び抗うつ薬等については、試験開始後の追加投与を禁止した。

  4. 併用可能薬

    併用禁止薬及び併用制限薬以外の薬剤は併用可能とし、試験中はできる限り処方を変更しないこととした。

解析方法

解析対象集団

有効性は「試験実施計画書に適合した解析対象集団(PPS)」を主要な解析対象集団とし、最大の解析対象集団(FAS)でも解析を行った。
安全性については有害事象評価解析対象集団、臨床検査値評価解析対象集団、概括安全度解析対象集団を解析対象とした。
また、有用性については有用度解析対象集団を解析対象とした。

最終全般改善度

最終全般改善度の改善率(「著明改善」+「中等度改善」の割合)について、ハンディキャップ方式(⊿=10%)でハロペリドールに対する非劣性を検証した。
改善率の差の両側95%信頼区間を算出した。
錐体外路系副作用発現割合…Fisherの直接確率法により群間比較を行った。

評価方法

有効性評価項目

主要評価項目

 最終全般改善度

副次的評価項目

 全般改善度
 陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)日本語版
 簡易精神症状評価尺度(BPRS)日本語版

安全性評価項目

主要評価項目

 錐体外路系副作用発現割合

副次的評価項目

 有害事象、副作用、 薬原性錐体外路症状評価尺度(DIEPSS)、
 抗パーキンソン剤の併用状況、
 臨床検査、生理学的検査、安静時12誘導心電図検査、
 脳波検査、概括安全度及び有用度

前治療抗精神病薬がある場合の全般改善度・最終全般改善度の判定基準

             
試験薬の有効性改善度の判定基準
試験薬 ≒ 前治療抗精神病薬 前治療抗精神病薬の改善度を試験薬の改善度とする
試験薬 > 前治療抗精神病薬 前治療抗精神病薬の改善度より1段階以上あげる
試験薬 < 前治療抗精神病薬 前治療抗精神病薬の改善度より1段階以上さげる

症例の内訳

ロナセン錠2mg/錠4mg/錠8mg/散2%の製品基本情報(適正使用情報など)

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