第12回 統合失調症患者を対象にラツーダの維持療法での有効性を検討した海外メンテナンス試験

統合失調症患者を対象にラツーダの維持療法での有効性を検討した海外メンテナンス試験
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2020年6月、本邦でラツーダが「統合失調症」および「双極性障害におけるうつ症状の改善」を効能・効果として発売されました。
今回は、「統合失調症患者を対象にラツーダの維持療法での有効性を検討した海外メンテナンス試験」についてQ&A形式でご紹介します。

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海外メンテナンス試験とは?

試験概要

 本試験の対象は、統合失調症患者676例(二重盲検治療期:ラツーダ40-80mg→プラセボ群141例、ラツーダ40-80mg→ラツーダ40-80mg群144例)でした。非盲検治療期(12~24週間)では、投与開始日をDay 1とし、Day 1~3にラツーダ40mg/日を投与し、Day 4以降は必要に応じて80mg/日に増量しました。非盲検治療期は12~24週間とし、最後の4週間は40mg/日または80mg/日のいずれかの投与量で固定しました。二重盲検治療期(28週間)では、二重盲検下でラツーダまたはプラセボを28週間投与しました。
 ラツーダの投与量は、非盲検治療期終了時点で投与されていた投与量(40または80mg/日)で開始し、その後、40mg/日で投与を開始した場合は必要に応じて80mg/日に増量しました。
 有効性の主たる解析対象集団はITT集団であり、二重盲検治療期に無作為化され、治験薬が1回以上投与された患者としました。有効性の主要評価項目(再発までの期間)は、層別化しないLog-rank検定を用いて、投与群間の差を評価しました。
 安全性評価対象集団は、非盲検治療期安全性評価対象集団および二重盲検治療期安全性評価対象集団としました。


患者背景

 患者背景をみると、男性が60~70%を占めており、平均年齢は39~43歳、病型は妄想型が約90%、罹病期間は約17年、現エピソードの期間は10~37週でした。
 ベースライン時のPANSS合計スコアは、無作為化されなかった患者群(ラツーダ40-80mg群)は92.4、無作為化された患者群(ラツーダ40-80mg→プラセボ群)は54.9、無作為化された患者群(ラツーダ40-80mg→ラツーダ40-80mg群)は53.8でした。ベースライン時のCGI-Sスコアはそれぞれ、4.73、2.73、2.71でした。


海外メンテナンス試験の結果は?

有効性:再発までの期間

 再発までの期間中央値は、ラツーダ40-80mg→プラセボ群192日、ラツーダ40-80mg→ラツーダ40-80mg群未到達であり、ラツーダ40-80mg→ラツーダ40-80mg群における再発までの期間はラツーダ40-80mg→プラセボ群に比べて有意に長いことが示されました。
 ラツーダ40-80mg→ラツーダ40-80mg群におけるラツーダ40-80mg→プラセボ群に対する再発リスクのハザード比は0.66であり、ラツーダ40-80mg→ラツーダ40-80mg群はラツーダ40-80mg→プラセボ群に比べて再発リスクが34%有意に低いことが示されました。


安全性:非盲検治療期

 副作用発現頻度(非盲検治療期)は、無作為化されなかった患者群49.4%、無作為化された患者群53.3%でした。いずれかの群で発現頻度が5%以上であった副作用は、悪心は無作為化されなかった患者群7.2%、無作為化された患者群8.4%、アカシジアはそれぞれ11.8%、16.5%、頭痛は5.4%、4.2%、傾眠は3.3%、6.3%、不眠症は2.6%、6.7%でした。
 重篤な副作用は、無作為化されなかった患者群17例17件[統合失調症5件、精神病性障害、アカシジア各2件、自殺企図、自殺念慮、幻聴、薬効欠如、精神的機能代償不全、過量投与、治療効果遅延、低血糖症各1件]に認められ、無作為化された患者群には認められませんでした。
 投与中止に至った有害事象は、無作為化されなかった患者群84例[統合失調症20例、精神病性障害10例、アカシジア6例、自殺念慮3例、嘔吐、アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加、激越各2例、好中球減少症、腹痛、悪心、薬効欠如、疲労、心突然死、治療効果遅延、過敏症、過量投与、血中ブドウ糖増加、血圧上昇、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、肝酵素上昇、肝機能検査値異常、好中球数減少、高血糖症、低血糖症、低ナトリウム血症、筋骨格硬直、ジストニー、片頭痛、パーキンソニズム、坐骨神経痛、鎮静、傾眠、振戦、攻撃性、うつ病、薬物乱用、幻聴、敵意、不眠症、リビドー減退、精神的機能代償不全、自殺行為、自殺企図、勃起不全、乳汁漏出症、発疹各1例]、無作為化された患者群0例でした。
 死亡は、無作為化されなかった患者群1例[心突然死]に報告されましたが、治験薬との因果関係は「関連なし」と判定されました。


安全性:二重盲検治療期

 副作用発現頻度(二重盲検治療期)は、ラツーダ40-80mg→プラセボ群25.5%、ラツーダ40-80mg→ラツーダ40-80mg群32.6%でした。いずれかの群で発現頻度が5%以上であった副作用は、統合失調症がそれぞれ3.5%、6.3%でした。
 重篤な副作用は、ラツーダ40-80mg→プラセボ群4例4件[統合失調症2件、精神病性障害、自殺企図各1件]、ラツーダ40-80mg→ラツーダ40-80mg群1例1件[各種物質毒性1件]に認められました。
 投与中止に至った有害事象は、ラツーダ40-80mg→プラセボ群22例23件[統合失調症12件、精神病性障害8件、非心臓性胸痛、自殺念慮、自殺企図各1件]、ラツーダ40-80mg→ラツーダ40-80mg群20例21件[統合失調症10件、精神病性障害6件、嘔吐、一過性脳虚血発作、不安、妄想、妄想症各1件]でした。
 試験期間中、いずれの群においても死亡は報告されませんでした。


再発予防の有用性が確認された海外メンテナンス試験の結果はいかがでしたでしょうか。
統合失調症治療の選択薬としてぜひご検討ください。

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