第7回 双極Ⅰ型障害患者の再発抑制をリチウムまたはバルプロ酸併用下で比較したPERSIST試験

双極Ⅰ型障害患者の再発抑制をリチウムまたはバルプロ酸併用下で比較したPERSIST試験
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2021年6月、本邦でラツーダが「統合失調症」および「双極性障害におけるうつ症状の改善」を効能・効果として発売してから1年が経過しました。
今回は、「双極Ⅰ型障害患者の再発抑制をリチウムまたはバルプロ酸併用下で比較したPERSIST試験」についてQ&A形式でご紹介します。

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PERSIST試験とは?

試験概要

試験概要②
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※原則として、各国で承認されたdivalproex(本邦未承認)もしくはバルプロ酸ナトリウムを使用しました
※※ラツーダ80mgは承認外用量です

 本試験の対象は、スクリーニング時および非盲検治療期のベースライン時のYMRSまたはMADRSの合計スコアが、リチウムまたはバルプロ酸※(Li/VPA)を服用中の場合14以上、Li/VPAを服用中でない場合18以上の双極Ⅰ型障害患者962例です。
 対象は、ラツーダ20-80mg/日+Li/VPAによる非盲検治療期を経て、二重盲検治療期にはプラセボ+Li/VPA群(250例)とラツーダ20-80mg※※+Li/VPA群(246例)に組み入れられました。

 有効性の主たる解析対象集団はITT集団であり、無作為化され、二重盲検治療期で少なくとも1回治験薬を投与された患者としました。有効性の主要評価項目は気分エピソードが再発・再燃するまでの期間([最初の気分エピソード再発日–無作為化した日]+1)としました。主要な解析では、治療群を固定効果、併合した実施国を層別因子とする層別Cox比例ハザードモデルを用いて、プラセボに対するラツーダのハザード比およびその95%CI(Wald)を推定しました。また、治療群別に再発・再燃までの時間をプロットしてKaplan-Meier生存曲線を作成しました。さらに、気分エピソードを再発・再燃した患者の割合を治療群別に要約しました。
 安全性の解析は、非盲検治療期安全性解析対象集団および二重盲検治療期安全性解析対象集団を対象としました。

患者背景

 患者背景をみると、男女比はほぼ1:1、平均年齢は約44歳でした。
 また、双極Ⅰ型障害のサブタイプは、非急速交代型が約87%で、現エピソードからスクリーニングまでの期間は約30週でした。
 うつ病の重症度を評価するための尺度であるMADRSの二重盲検治療期ベースライン時における合計スコアは、プラセボ+Li/VPA群4.1、ラツーダ20-80mg+Li/VPA群4.0でした。

PERSIST試験の結果は?

有効性
二重盲検治療期ベースラインから気分エピソードが再発・再燃するまでの期間[参考情報]

 主要評価項目である二重盲検治療期ベースラインから気分エピソードが再発・再燃するまでの期間をKaplan-Meier生存曲線で表した結果をこちらに示します。再発・再燃率は、プラセボ+Li/VPA群25.6%、ラツーダ20-80mg+Li/VPA群19.5%であり、両群間に統計学的に有意な差は認められませんでした。

 また、気分エピソードの再発・再燃率は、プラセボ+Li/VPA群25.6%、ラツーダ20-80mg+Li/VPA群19.5%でした。


サブグループ解析
最新エピソード別の再発・再燃の割合[参考情報]

 事前に計画されたサブグループ解析の結果、最新エピソードがうつ病エピソードの患者における再発・再燃の割合は、プラセボ+Li/VPA群26.9%、ラツーダ20-80mg+Li/VPA群18.8%でした。

 また、最新エピソードがうつ病エピソードの患者において、ラツーダ20-80mg+Li/VPA群ではプラセボ+Li/VPA群に比べて、気分エピソードの再発・再燃リスクが43%有意に低下しました。

 また、最新エピソードがうつ病エピソードの患者において、ラツーダ20-80mg+Li/VPA群ではプラセボ+Li/VPA群に比べて、気分エピソードの再発・再燃リスクが43%有意に低下しました。


理由を問わない中止までの期間

 理由を問わない中止までの期間は、プラセボ+Li/VPA群とラツーダ20-80mg+Li/VPA群の両群間に統計学的に有意な差が認められました。

安全性

非盲検治療期における副作用発現頻度は、
無作為化されなかった患者群52.8%(246/466例)、無作為化された患者群38.7%(192/496例)でした(以下同順)。非盲検治療期におけるいずれかの群で発現頻度が5%以上であった副作用は、悪心[11.8%(55例)、5.8%(29例)]、 アカシジア[10.3%(48例)、5.8%(29例)]、傾眠[6.4%(30例)、5.6%(28例)]でした。

 二重盲検治療期における副作用発現頻度は、プラセボ+Li/VPA群26.8%(67/250例)、ラツーダ20-80mg+Li/VPA群29.7%(73/246例)でした(以下同順)。二重盲検治療期におけるいずれかの群で発現頻度が5%以上であった副作用は、体重増加[3.6%(9例)、6.5%(16例)]、振戦[4.4%(11例)、5.7%(14例)]でした。
 なお、本試験で確認された重篤な副作用および投与中止に至った有害事象はこちらをご確認ください。

中止率

 なお、二重盲検治療期終了時における中止率は、プラセボ+Li/VPA群で40.0%、ラツーダ20-80mg+Li/VPA群で32.5%でした。


双極Ⅰ型障害患者の再発抑制を検証したPERSIST試験はいかがでしょうか。
双極性障害におけるうつ症状の治療においてラツーダを治療選択肢として、ご検討いただけましたら幸甚です。
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