第3回 双極Ⅰ型障害の大うつ病エピソードを有する患者を対象とした臨床試験ELEVATE試験

Q&Aでわかる ラツーダ 双極Ⅰ型障害の大うつ病エピソードを有する患者を対象とした臨床試験ELEVATE試験

大日本住友製薬 オンライン専任MR“オンラインMR”です。
2020年6月、本邦でラツーダが「統合失調症」および「双極性障害におけるうつ症状の改善」を効能・効果として発売となりました。
今回は、「双極Ⅰ型障害の大うつ病エピソードを有する患者を対象とした臨床試験ELEVATE試験」についてQ&A形式でご紹介します。
より詳細な情報をご希望の先生はオンラインMRがリモートでご紹介いたします。

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双極性障害治療の課題は?

 双極性障害患者さんは経過中の多くの時間を抑うつ症状とともに過ごすと考えられています。双極性障害患者さんを2年以上追跡した報告では、双極Ⅰ型障害では31.9%、双極Ⅱ型障害では50.3%の期間で抑うつ症状がみられることが示されており、抑うつ症状に対する治療の重要性が窺えます。


 また、双極性障害治療において重要なことは、社会機能障害です。
 海外の報告では、双極性障害うつ患者および単極性うつ病患者を対象に、シーハンディスアビリティスケール(SDS)を用いて、仕事や家事、人付き合い、家庭内でのコミュニケーションにおける障害度が評価されたものがあります。
 その結果では、双極性障害うつ患者は、単極性うつ病患者よりも社会機能が障害されている割合が多く、また、各項目約30~40%の患者に機能障害が認められ、双極性障害の社会機能障害の深刻さが伺えます。


 また、その他の課題として、メタボリックシンドロームが挙げられます。双極性障害患者では、単極性うつ病患者や非精神疾患と比較してメタボリックシンドロームを有する割合が高いことが報告されています。


 このように、双極性障害治療にはまだ多くのアンメットメディカルニーズが存在します。
 双極性障害の診断および治療の変遷をみると、双極性障害の躁症状に対する治療薬は充実してきている一方、うつ症状に対する適応を有する抗精神病薬は2剤しかありませんでした。
 このような状況のなか、ラツーダが、双極性障害におけるうつ症状に対する新たな選択肢として登場しました。

ELEVATE試験とは?

試験概要

 本邦において「双極性障害におけるうつ症状の改善」の適応を取得する根拠となった試験であるELEVATE試験をご紹介します。
 本試験の対象は、双極Ⅰ型障害患者(大うつ病エピソード)525例です。対象をプラセボ群、ラツーダ20-60mg群、ラツーダ80-120mg群に無作為に分け、治験薬を1日1回夕食後に6週間経口投与しました。

 有効性の主たる解析はITT集団を対象として実施しました。有効性の主要評価項目は治療群、評価時期、実施医療機関、MADRS合計スコアのベースライン値、および治療群と評価時期の交互作用を含むMMRM法を用いて解析し、検定の多重性はHochberg法で調整しました。
 安全性の解析は安全性解析対象集団を対象として実施しました。

患者背景

 患者背景をみると、男女比は約1:1、平均年齢は約42歳、MADRS合計スコアは約30点、SDSは約20点でした。
 このように、本試験には、中等度以上のうつ症状と中等度以上に社会機能が障害された患者が組み入れられました。

ELEVATE試験の結果は?主要評価項目・副次評価項目

 主要評価項目である6週時のMADRS合計スコアのベースラインからの変化量は、プラセボ群-10.6、ラツーダ20-60mg群-13.6、投与群間の差-2.9と、ラツーダ20-60mgはプラセボに比べてMADRS合計スコアを有意に低下させ、プラセボに対する優越性が検証されました。
 また、副次評価項目であるベースラインからの変化量は、ラツーダ20-60mg群では投与開始2週目よりプラセボと比べ有意な改善が認められました。

MADRS項目別スコア

 MADRS項目別スコアのベースラインからの変化量をお示しします。
 うつ症状の中核症状である「外見に表出される悲しみ」や「言葉で表現された悲しみ」など、各項目のスコア変化量はこちらに示すとおりです。

※ラツーダ80-120mgの有効性は検証されておらず、また承認外用量であるため、有効性の成績は削除しました。

CGI-BP-Sスコア

 また、6週時のCGI-BP-Sスコアのベースラインからの変化量は、プラセボ群-1.11、ラツーダ20-60mg群-1.51、群間差は-0.40と、ラツーダ20-60mgのスコアはプラセボに比べて有意に低下しました。

※ラツーダ80-120mgの有効性は検証されておらず、また承認外用量であるため、有効性の成績は削除しました。

SDS合計スコア(参考情報)

※ラツーダ80-120mgの有効性は検証されておらず、また承認外用量であるため、有効性の成績は削除しました。

 参考情報になりますが、6週時のSDS合計スコアのベースラインからの変化量は、プラセボ群で-5.7、ラツーダ20-60mg群で-7.6を示しました。


※ラツーダ80-120mgの有効性は検証されておらず、また承認外用量であるため、有効性の成績は削除しました。

 なお、項目別でみた、仕事/学校、社会、家庭における変化量は、ご覧のとおりです。


※ラツーダ80-120mgの有効性は検証されておらず、また承認外用量であるため、有効性の成績は削除しました。

 SDSのベースラインが6.5点程度というのは、中等度~重度の支障を示します。2.5~2.7点低下し、4点前後になるということは、軽度から中等度の支障になったと解釈されます。

ELEVATE試験の結果とは?安全性

※ラツーダ80-120mgの有効性は検証されておらず、また承認外用量であるため、有効性の成績は削除しました。

副作用発現頻度は、プラセボ群55例(32.0%)、ラツーダ20-60mg群71例(38.6%)、ラツーダ80-120mg群87例(51.5%)でした。
 発現頻度5%以上の副作用は、プラセボ群ではアカシジア11例(6.4%)、悪心8例(4.7%)、ラツーダ20-60mg群ではそれぞれ24例(13.0%)、ラツーダ80-120mg群ではそれぞれ38例(22.5%)、18例(10.7%)などでした。

 重篤な副作用は、プラセボ群1例1件[躁病1件]、ラツーダ20-60mg群0例、ラツーダ80-120mg群2例2件[自殺企図、パニック発作各1件]に認められました。
 投与中止に至った有害事象は、プラセボ群7例[好中球減少症、急性心筋梗塞、胃炎、悪心、嘔吐、疾患進行、アカシジア各1例]、ラツーダ20-60mg群6例[嘔吐、機能性胃腸障害、肝障害、アカシジア、躁病、自殺念慮各1例]、ラツーダ80-120mg群16例[悪心4例、疾患進行、アカシジア各3例、嘔吐、腱断裂、筋骨格硬直、ジストニア、不眠症、呼吸困難各1例]に認められました。
 試験期間中、いずれの群においても死亡は報告されませんでした。


臨床検査値

 本試験では、臨床検査値への影響も検討されています。
 6週時点での体重、BMI、HbA1cなどのベースラインからの変化量は、ご覧のとおりです。

臨床検査値への影響(安全性解析対象集団)
拡大
臨床検査値への影響(安全性解析対象集団)
拡大

※ラツーダ80-120mgの有効性は検証されておらず、また承認外用量であるため、有効性の成績は削除しました。


中止率

※ラツーダ80-120mgの有効性は検証されておらず、また承認外用量であるため、有効性の成績は削除しました。

 なお、本試験の6週時における中止率はプラセボ群19.2%、ラツーダ20-60mg群14.7%、ラツーダ80-120mg群18.9%でした。


iMR

ラツーダを、

双極性障害におけるうつ症状に対する新たな治療選択肢として、ぜひご検討ください。

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