第2回 クイズでおさえる 糖尿病治療の常識・非常識!?

クイズでおさえる 糖尿病治療の常識・非常識!?

クイズでおさえる 糖尿病治療の常識・非常識!?

先生、こんにちは。
エクア、エクメットに関する情報を
2型糖尿病診療のポイントに関するクイズとともにご紹介させていただきます。
ぜひお楽しみください!

Quiz1

米国Cleveland Clinicにおいて糖尿病治療の治療強化の実態調査が行われました。6ヵ月以上経口血糖降下薬を2剤併用し、HbA1cが7%以上の患者が、その後6ヵ月以内に治療強化された割合は約何%だったでしょうか? (択一式問題)

(注:治療の強化は経口血糖降下薬の増量、他の経口血糖降下薬の追加、GLP-1受容体作動薬あるいはインスリンの追加と定義しました。)

①約80%

②約60%

③約40%

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正解は③約40%(37.1%)

米国Cleveland Clinicにおいて糖尿病治療の治療強化の実態調査が行われました。
この調査では、6ヵ月以上経口血糖降下薬を2剤併用しHbA1cが7%以上の2型糖尿病患者7,389例を6ヵ月間追跡し、糖尿病治療の変化(治療の強化)を評価しました。治療の強化は、経口血糖降下薬の増量、他の経口血糖降下薬の追加、GLP-1受容体作動薬あるいはインスリンの追加と定義しました。
調査の結果、治療強化された患者の割合は37.1%でした。言い換えれば、約60%の患者はHbA1cが7%を超えているにもかかわらず、6ヵ月間治療強化されていなかったことが示されています(図1)。
このように「治療目標が達成されていないにもかかわらず、治療が適切に強化されていない状態」をClinical Inertia(臨床的惰性)と呼びます。
糖尿病治療においては、しばしばこのClinical Inertiaが問題となります。患者側の問題だけでなく、医療従事者側の治療強化への躊躇も問題であると指摘されることもあります。
合併症予防のためにもClinical Inertiaに陥らないような治療を心がけることが大切です。

メトホルミン1,000mg/日への増量効果

本邦においてメトホルミンの増量効果を検討した後ろ向き解析の試験を示します。
メトホルミン500mg/日あるいは750mg/日から1,000mg/日へと増量を行った日本人2型糖尿病患者144例を対象にHbA1cの変化を後ろ向きに解析を行いました(表1)。

ベースライン時のHbA1cは8.20%であり、メトホルミン1,000mg/日へ増量3ヵ月後にはHbA1c7.63%、6ヵ月後にはHbA1c7.55%へと低下し、いずれにおいても有意差が認められました(図2)。
よって、メトホルミン500mg/日あるいは750mg/日で効果不十分の患者では、メトホルミン1,000mg/日へ増量することで、増量効果が得られることが示されました。

なお、本試験における副作用として、144例中3例に軽度の下痢などの消化器症状が認められました。いずれの症例も1週間以内に軽快し継続投与が可能でした(表2)。

Quiz2

Clinical Inertia(臨床的惰性)を回避するために、ADA/EASDコンセンサスレポート2018(2019アップデート版)では、定期的に治療を再評価・修正することと記載されています。 では、定期的とはどのくらいの期間を指しているでしょうか?(択一式問題)

①1~2カ月

②3~6カ月

③9~12カ月

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正解は② 3~6ヵ月ごとに治療を再評価・修正する

ADA/EASDコンセンサスレポート2018(2019アップデート版)では、「臨床的惰性を回避するために定期的に治療を再評価・修正(3~6ヵ月ごと)」と記載されています(図3)。そのため、漫然と同じ治療を継続するのではなく、治療の変化の必要性を検討しながら治療を行うことが推奨されています。

図3

図3

それではどのように治療を見直していけば良いのでしょうか。こちらに治療強化の概念図を示します(図4)。HbA1cコントロール状況に応じて、患者のHbA1cが悪化してきてから治療を強化する方法では、治療強化に遅れが生じる可能性があり、結果として目標HbA1cを達成することが難しくなってしまいます。この状態はClinical Inertiaに陥っている可能性があります(図4左)。
Clinical Inertiaを回避するためには、目標HbA1cを達成しているかを治療強化の指標とします。3~6ヵ月治療を行い目標HbA1cを達成していなければ、経口血糖降下薬の増量や併用を行い、目標HbA1cに向かって積極的に治療を強化します。このような治療を行うことで、Clinical Inertiaを回避することができます(図4右)。
糖尿病治療は長期にわたるため、Clinical Inertiaに陥らないように注意を払う必要があります。

メトホルミンからエクメットへの治療強化

エクメットの国内第Ⅲ相試験では、メトホルミン単独投与で効果不十分な2型糖尿病患者を対象にエクア追加併用投与の優越性を検証しました。
メトホルミン単独投与で効果不十分な2型糖尿病患者にエクアを併用したところ、主要評価項目であるHbA1cのベースラインからの変化量は-1.1%であり、プラセボ併用群と比較して有意なHbA1cの低下が示されました(図5)。本試験においてメトホルミン+エクア50mg1日2回群のベースラインのHbA1cは8.0%であるため、HbA1cは7.0%未満になっており、メトホルミン効果不十分例の治療強化にはエクメットが有用であることが示されました。

なお、本試験において、メトホルミン+エクア50mg1日2回群全体では68例中11例で副作用が報告され、発現率は16.2%でした(表3)。主な副作用として、アミラーゼ増加が報告されています。メトホルミン+プラセボ1日2回群全体では70例中7例で副作用が報告され、発現率は10.0%でした。主な副作用として、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)増加、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)増加が報告されています。

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