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Q1 VERIFY試験は、どのような目的で行われたのでしょうか?

合併症予防のための血糖コントロール目標はHbA1c7.0%未満とされています。この根拠のひとつとなったUKPDSでは、早期から積極的にHbA1cを低下させることにより、合併症発症リスクの低減が持続することが示されました。

長期予後の改善のためには、診断早期に良好な血糖コントロールを達成するとともに、その状態を維持することが求められます。糖尿病診療ガイドラインでは「血糖コントロールの目標は、可能な限り正常な代謝状態を目指すべきであり、治療開始後早期に良好な血糖コントロールを達成し、その状態を維持することができれば、長期予後の改善が期待できる」とされています。しかし実臨床では適切なタイミングで治療強化が行われていない可能性が報告されています。
早期に血糖コントロールを達成しそれを維持するための選択肢のひとつとして、早期からの併用療法が考えられます。そこで、診断早期からのエクアとメトホルミン併用の血糖コントロール維持効果を検証するため、VERIFY試験が行われました。

本試験では治療歴がない2型糖尿病患者2,001例を対象に、スクリーニング期間、導入期間を経て、メトホルミン1日2回+エクア50mg1日2回(メトホルミン+エクア群)もしくはメトホルミン1日2回+プラセボ1日2回(メトホルミン+プラセボ群)に無作為に割り付けました。
無作為化後、3つの期間に分けられており、初回治療脱落後の期間2では、メトホルミン+プラセボ群でもHbA1cが2回連続して7.0%を超える場合、エクア50mg1日2回が併用されました。

主要評価項目は各群の「初回治療脱落率」です。
初回治療脱落は、無作為化の13週後から連続して2回HbA1c7.0%以上となった場合と定義されました。初回治療脱落の発生(初回治療脱落率)と時間の関係が生存曲線として結果スライド【Q2-図『初回治療脱落率』】に示されています。
治療法(併用タイミング)の違い以外の治療脱落に関連する因子の影響を除くことのできるCOX比例ハザードモデルと呼ばれる解析手法を用いて両群の初回治療脱落率(生存曲線)を比較しています。

また、副次評価項目として、期間2における治療脱落率を初回治療脱落率同様に評価しています。その他、血糖の変化率、空腹時血糖の変化率、HbA1c値などが副次評価項目に設定されました。

Q2 VERIFY試験の結果はどのように解釈できますか?

主要評価項目である初回治療脱落率は、メトホルミン+プラセボ群に比べ、メトホルミン+エクア群において有意に低いことが検証されました。ハザード比は0.51(95%Cl 0.45-0.58、p<0.0001)であり、初回治療脱落のリスクがメトホルミン+エクア群で49%低下することが示されました。

加えて、治療脱落までの期間は、メトホルミン+プラセボ群で36.1ヵ月(中央値)だったのに対し、メトホルミン+エクア群(推定中央値)では61.9ヵ月であり、早期からのエクアとメトホルミン併用により、メトホルミン単独療法に逐次的にエクアを併用した場合に比べ、2年以上の延長が見られました。

また、副次評価項目である期間2の治療脱落率についても、メトホルミン+エクア群で有意に低く、ハザード比は0.74(95%Cl 0.63-0.86、p<0.0001)でした。期間2では、メトホルミン+プラセボ群でもエクア50mg1日2回が併用されました。

早期からのエクアとメトホルミン併用により、メトホルミン単独療法に逐次的にエクアを併用した場合に比べ、治療脱落までの期間が延長されています。すなわち、メトホルミンにエクアを早期併用することにより血糖値がコントロールされる期間が維持されたと解釈することができます。

初回治療継続期間のサブグループ解析の結果はご覧のとおりでした。ベースラインのHbA1cの値、BMI、人種によっておこなった、サブグループ解析では、メトホルミン+エクア群で初回治療脱落のリスク低下が示されました。

Q3 VERIFY試験にはどのような患者さんが含まれていたのでしょうか?

VERIFY試験の目的は、2型糖尿病患者における早期からのエクアとメトホルミン併用の血糖コントロール維持効果を検証することでした。そのため、対象はHbA1c6.5-7.5%、治療歴のない2型糖尿病と診断されてから24ヵ月以内の患者さんとし、HbA1cは6.9%、罹病期間(中央値)は3.4ヵ月でした。また、34ヵ国254施設が参加しました。多様な人種が含まれており、アジア人の割合は18.6%でした。

Q4 VERIFY試験ではどのような有害事象が発現したのでしょうか?

なお、本試験における有害事象発現率はメトホルミン+エクア群83.5%(833/998例)、メトホルミン+プラセボ群83.2%(833/1001例)でした。主な有害事象(いずれかの群で発現率10%以上)は、背部痛がそれぞれ10.5%(105例)、8.6%(86例)、下痢が10.5%(105例)、10.4%(104例)、高血圧が10.5%(105例)、12.8%(128例)、鼻咽頭炎が10.4%(104例)、10.8%(108例)、関節痛が10.0%(100例)、9.4%(94例)でした。

重篤な有害事象はメトホルミン+エクア群166例、メトホルミン+プラセボ群182例で報告されました。投与中止に至った有害事象はメトホルミン+エクア群41例、メトホルミン+プラセボ群53例で報告されました。死亡はメトホルミン+エクア群13例、メトホルミン+プラセボ群9例で報告されましたが、いずれも被験薬との関連は否定されました。

早期2型糖尿病患者さんを対象としたVERIFY試験において、早期からのエクアとメトホルミン併用により、メトホルミン単独療法に逐次的にエクアを併用した場合と比べて、血糖値がコントロールされる期間が維持されたことが示されました。

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