早期からの積極的な糖尿病治療の意義

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Q1 早期からの積極的な糖尿病治療の意義について教えてください。

血糖コントロールの目標は、可能な限り正常な代謝状態を目指すべきであり、治療開始後早期に良好な血糖コントロールを達成し、その状態を維持することができれば、長期予後の改善が期待できる、とされています。患者さんの状態に応じて、早期から積極的な治療強化を行うことで、こうした適切な血糖コントロールを達成することができると考えられます。最近の報告でも、診断後最初の1年間の血糖コントロールが将来の合併症イベントと関連することが示されています〔Laiteerapong N, et al. Diabetes Care. 42(3): 416-426, 2019.〕。

ただし、治療強化にあたっては、副作用発現につながるおそれがあること、多剤併用やコンプライアンス低下などの問題にも注意が必要とされます〔Del Prato S. et al. Int J Clin Pract. 59(11): 1345-55, 2005〕。

Q2 今回発表されたVERIFY試験では、どのようなことが検証されたのでしょうか?

本試験では、治療歴がない2型糖尿病患者2,001例を対象とし、早期からのエクアとメトホルミン併用による血糖コントロール維持効果が検証されました。本試験において、対象患者はスクリーニング期間、導入期間を経て、メトホルミン1日2回+エクア50mg1日2回〔メトホルミン+エクア群(エクア群)〕もしくはメトホルミン1日2回+プラセボ1日2回〔メトホルミン+プラセボ群(プラセボ群)〕に無作為に割り付けられました。本試験は無作為化後、3つの期間に分けられており、期間2では、「期間1でHbA1cが2回連続して7.0%を超えた場合、プラセボ群もエクア群と同様の治療であるエクア50mg1日2回が併用」とされました。

本試験の主要評価項目には、「初回治療脱落率」が設定されました。初回治療脱落率は、無作為化後から3ヵ月毎にHbA1cを測定し、連続して2回HbA1c 7.0%以上となった初回訪問までの期間を算出し、COX比例ハザードモデルを用いて評価しました。
つまり初回治療脱落率は、血糖コントロールを維持できず、目標のHbA1c 7.0%未満を維持できなかった患者の割合を意味します。

Q3 VERIFY試験の結果について教えてください。

主要評価項目である初回治療脱落率は、プラセボ群に比べ、エクア群において有意に低いことが検証されました。ハザード比は0.51(95%CI 0.45-0.58、p<0.0001)であり、初回治療脱落のリスクがエクア群で49%低下することが示されました。

また、副次評価項目である期間2の治療脱落率についても、エクア群で有意に低く、ハザード比は0.74(95%Cl 0.63-0.86、p<0.0001)でした。期間2では、プラセボ群でもエクア50mg1日2回が併用されているにもかかわらず、差が生じたため、より早期からの併用治療が血糖コントロール維持において重要であることが示唆されました。

VERIFY試験*により、エクアとメトホルミンの早期併用療法における有効性が証明されました。
メトホルミンで効果不十分な場合、早期からエクメット配合錠で治療強化する、という選択肢も考えられるのはないでしょうか?

*VERIFY試験は、メトホルミン+エクア併用群とメトホルミン単剤群との比較試験です。

なお、本試験における有害事象発現率はエクア群83.5%(833/998例)、プラセボ群83.2%(833/1,001例)でした。主な有害事象(いずれかの群で発現率10%以上)は、背部痛がそれぞれ10.5%(105例)、8.6%(86例)、下痢が10.5%(105例)、10.4%(104例)、高血圧が10.5%(105例)、12.8%(128例)、鼻咽頭炎が10.4%(104例)、10.8%(108例)、関節痛が10.0%(100例)、9.4%(94例)でした。

重篤な有害事象はエクア群166例、プラセボ群182例で報告されました。投与中止に至った有害事象はエクア群41例、プラセボ群53例で報告されました。死亡はエクア群13例、プラセボ群9例で報告されましたが、いずれも被験薬との関連は否定されました。

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