パーキンソン病診療ガイドライン2018改訂のポイント:ウェアリングオフを呈する進行期パーキンソン病に対する治療アルゴリズム

監修:服部 信孝 先生
「パーキンソン病診療ガイドライン」作成委員会 委員長
順天堂大学大学院医学研究科神経学講座 教授

ウェアリングオフを呈する進行期パーキンソン病に対する治療アルゴリズム

device aided therapy(DAT)の特徴

device aided therapy(DAT)の特徴

*1 それぞれの頻度などは第Ⅰ編第1章5と第10章を参照

*1 ウェアリングオフ出現時には投与量不足の可能性もあるので、L-ドパを1日3~4回投与にしていない、あるいはドパミンアゴニストを十分加えていない場合は、まずこれを行う。
*2 アポモルヒネに関しては第Ⅰ編第2章8を参照
*3 DAT:device aided therapy(本邦ではDBSおよびL-ドパ持続経腸療法がこれに該当する)。それぞれの治療方法の適応については第Ⅰ編の第1章5と第10章、第Ⅱ編CQ2-3、第Ⅲ編第4章1~3および上の表を参照。


日本神経学会「パーキンソン病診療ガイドライン」作成委員会編: パーキンソン病診療ガイドライン2018, 医学書院(東京), p125, 2018

解説

ウェアリングオフを呈する進行期パーキンソン病に対して、L-ドパの1日4~5回の投与またはドパミンアゴニストの追加・増量・変更を行う。その後、「パーキンソン病治療ガイドライン2011」では、ジスキネジアの有無により異なる併用薬を選択していたが、今回の「パーキンソン病診療ガイドライン2018」ではジスキネジアの有無による薬剤の区別はなく、エンタカポン、セレギリン、イストラデフィリン、ゾニサミドなどの併用が推奨されている。これらの薬剤のうち、イストラデフィリン以外は、「治療ガイドライン2011」でも推奨されており、大きな違いはない。
これで効果不十分の場合は、L-ドパの頻回投与やドパミンアゴニストの増量・変更、アポモルヒネの併用、さらに適応を十分考慮したうえでDATの導入を検討することとなっている。ウェアリングオフを呈する進行期パーキンソン病に対するDATの適応は「薬物療法で効果不十分なパーキンソン病の運動症状の日内変動(ウェアリングオフ現象)」となっている。

関連情報

パーキンソン病・レビー小体型認知症/トレリーフについてもっと知る