パーキンソン病診療ガイドライン2018改訂のポイント:幻覚・妄想の治療アルゴリズム

監修:服部 信孝 先生
「パーキンソン病診療ガイドライン」作成委員会 委員長
順天堂大学大学院医学研究科神経学講座 教授

幻覚・妄想の治療アルゴリズム

*1 抗パーキンソン病薬減量と並行して追加を考慮。


非定型抗精神病薬・定型抗精神病薬はパーキンソン病に対して承認されていない。
日本神経学会「パーキンソン病診療ガイドライン」作成委員会編: パーキンソン病診療ガイドライン2018, 医学書院(東京), p248, 2018

解説

幻覚・妄想に対しては、日常生活に悪影響を及ぼすようになった時点で治療を開始する。直近に投与して幻覚・妄想の誘因となった薬物があれば、減量・中止し、次いで抗コリン薬、アマンタジン、セレギリンを中止、さらにドパミンアゴニストを減量・中止、イストラデフィリン、エンタカポン、ゾニサミドを中止する。またコリンエステラーゼ阻害薬の有効性が示されており、追加を考慮する。改善しない場合には、非定型抗精神病薬を投与する。
薬物減量で運動症状が悪化する場合、L-ドパを増量して運動症状へ対応する。また、薬物減量よりコリンエステラーゼ阻害薬や非定型抗精神病薬を優先することもある。

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