かゆみのメカニズム

末梢性のかゆみのメカニズム

末梢性のかゆみのメカニズム

末梢性のかゆみは炎症性反応と考えられています。C線維(かゆみを伝える神経線維)終末近傍にある肥満細胞が、IgE抗体や補体によって刺激されるとヒスタミンやプロテアーゼが遊離し、それらが表皮から真皮接合部に存在するかゆみ受容体に結合し、かゆみ刺激がC線維から脊髄に伝わり、大脳でかゆみとして認識されます。

また、刺激を受けたC線維終末からはサブスタンスP(神経ペプチド)が遊離します。これが肥満細胞をさらに刺激することでヒスタミンの遊離が亢進され、かゆみの増強につながります。

ヒスタミンやサブスタンスPは皮膚毛細血管にも作用します。血管拡張と透過性亢進をもたらし、リンパ球、好酸球、好塩基球などの炎症細胞の浸潤が進み、そして炎症細胞から種々のサイトカインが産生されることで炎症反応が増幅します。

中枢性のかゆみのメカニズム

一方、中枢性のかゆみは、内因性オピオイドの関与が原因のひとつと考えられています。
内因性オピオイドであるβ-エンドルフィンとダイノルフィンは、ケラチノサイトや神経細胞から産出されます。β-エンドルフィンはμ受容体に対する内因性リガンドであり、かゆみを誘発します。それに対してダイノルフィンは、κ受容体に対する内因性リガンドであり、かゆみを抑制することが知られています。

通常はμ受容体とκ受容体の活性が平衡を保っているため、かゆみのない状態ですが、内因性オピオイドであるβ-エンドルフィンがμ受容体に結合し、μ受容体がκ受容体よりも活性化すると、かゆみ誘導系が優位となり、かゆみが発生すると考えられています。このかゆみ誘導系はκ受容体が活性化することにより、抑制されると考えられています。

内因性オピオイドによるかゆみ誘発系とかゆみ抑制系

難治性のかゆみのメカニズム

臨床的に抗ヒスタミン薬が奏効しにくいかゆみは難治性のかゆみと分類されます。難治性のかゆみで抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、保湿剤、外用ステロイド剤などの止痒薬が効きにくい理由としては、ヒスタミン以外のケミカルメディエーターの関与が考えられています。そのほかにも、外部刺激による表皮内神経線維活性化も難治性かゆみの惹起に関与しているといわれています。

慢性肝疾患や腎疾患などの中枢性のかゆみでは、オピオイドを介するかゆみのメカニズムが関与していると考えられています。

既存治療抵抗性のかゆみ発現メカニズム

まとめ

  • 末梢性のかゆみは、ヒスタミンなどのケミカルメディエーターが関与し、C線維で伝達されます。
  • 中枢性のかゆみは、内因性オピオイドペプチドが関与し、μオピオイド系がκオピオイド系より相対的に優位になることでかゆみが発現します。
  • 難治性かゆみのメカニズムには、①ヒスタミン以外のケミカルメディエーターによるかゆみ、②表皮内神経線維の外部刺激によるかゆみ、③オピオイドを介するかゆみが考えられています。

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