チーム医療を基盤とするテーラーメード医療を推進

  • 診療科血液内科
  • エリア東京都品川区旗の台

服部 憲路(はっとり のりみち)先生

昭和大学医学部 内科学講座/血液内科学部門 准教授

服部 憲路(はっとり のりみち)先生

系列施設とも連携し、広範な地域が診療圏に

昭和大学病院血液内科の主な診療圏は東京都の城南地域(品川区、大田区、目黒区、世田谷区等)ですが、系列施設の昭和大学藤が丘病院(横浜市青葉区)と連携していることから、神奈川県からも多くの血液疾患患者が受診されます。現在の診療担当医は11名(血液内科専門医6名)で、病床は50床(無菌室12床を含む)です。外来化学療法の普及に伴い、外来患者も増加しています。

当科では、多様な血液疾患に対して先進医療を積極的に導入しており、治癒率の向上に努めています。直近5年間の難治性疾患に対する移植総数は121例でした。高齢の患者に対して臍帯血移植を積極的に行っていることが、当科の特徴です。

チームによる移植医療が、高齢患者の良好なアウトカムに結実

私たちは、移植成績を向上させること、そして可能な限りQOLを保持した状態で患者を退院に導くことを目標に、多職種からなるチームによる移植医療を推進しています。チームの主な構成員は、血液内科医、看護師、薬剤師、リハビリテーション医、理学療法士、栄養士、歯科医です()。

図 昭和大学病院血液内科における移植チームの構成

監修:服部 憲路先生

看護師は、患者の状態をきめ細かく観察し、問題があれば迅速に対処します。薬剤師は、薬物療法への関与はもとより、適切な支持療法の推進にも大きな役割を果たしています。また、リハビリテーション医および理学療法士は、患者の身体機能全般を詳細に評価して指導するだけでなく、患者に接触する機会が多いことから、精神的な支えにもなっています。栄養士は、個々の患者の栄養状態に合わせてバランスのよい食事や栄養摂取の計画を立て、実践しています。

さらに、口腔ケアセンターによるケアや教育も重要です。適切な口腔ケアを実施することで、呼吸器感染症を予防するとともに、移植医療で特に多くみられる重症口内炎の頻度が低下しました。さらなる口内炎発症抑制を目指し現在、歯科とともに口腔内細菌叢の変化などを研究しています。

当科では最近、高齢患者への造血幹細胞移植を積極的に実施しています。基本的に年齢の上限を定めていません。2015年以降は65歳以上の患者に対しても積極的に移植を行う方針に転換しました。現在では65歳を超える患者でも良好なアウトカムが得られています。チーム医療の推進は、移植可能年齢の引き上げにも貢献していると思います。

移植適応を考慮する際の指標の1つに、移植前の全身状態と合併症を評価するHCT-CI(hematopoietic cell transplantation-comorbidity index)がありますが、その項目は臓器機能や既存疾患が中心です。移植年齢の高齢化に伴い、日常生活動作(ADL)や精神状態などを加味した高齢患者向けの新たな指標が必要ではないかと考えています。

支持療法の発展が治療成績の向上に大きく寄与

近年、分子標的薬等の新たな治療薬の上市により、血液疾患患者の治療成績が著しく向上しています。また、原疾患治療薬の充実のみならず、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)や抗菌薬、抗真菌薬による支持療法の発展も大きく寄与しています。

当科でも積極的な感染予防の導入を進めており、ウイルス・細菌・真菌感染の発生率に対する効果は現時点で明らかにされていないものの、治療強度の維持に貢献し、治療成績の向上に結びついていると考えています。

今後も、チーム医療を基盤とする最適なテーラーメード医療の推進に努めるとともに、高齢患者における移植のリスク因子の評価を行い、移植適応の新たな指標(高齢者版HCT-CI)の作成についても検討を進めたいと考えています。

昭和大学病院血液内科スタッフ
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昭和大学病院血液内科スタッフ

医療機関名称 昭和大学病院
住所 〒142-8666 東京都品川区旗の台1-5-8
電話番号 03-3784-8000(代表)
医師名 服部 憲路(はっとり のりみち)先生
経歴
2003年
昭和大学医学部卒
2003年より
昭和大学病院勤務
ホームページ http://www.showa-u.ac.jp/SUH/外部サイトを開く