ファブリー病Q&A 小児編 vol.06「四肢疼痛がみられない症例の頻度」

ファブリー病 Q&A

ファブリー病に関して実際に先生方より寄せられた質問に、ファブリー病のエキスパートの先生にご回答・ご解説いただきました。

小児編 vol.06 四肢疼痛がみられない症例の頻度

Q.ファブリー病に特徴的な症状の1つに四肢疼痛がありますが、四肢疼痛がみられないケースも一定数あると聞きます。具体的な頻度はどのくらいでしょうか。また、その原因として、どのようなことが考えられるのでしょうか。

今回のエキスパート
近畿大学医学部神経内科学教室 准教授
平野 牧人 先生

A.海外では3割前後の患者さんで四肢疼痛を認めないという報告1)もあります。


ファブリー病の四肢疼痛は、比較的早期に現れる症状の1つです。特に男性患者さんでは、最初の自覚症状であり、診断につながるきっかけとなることが多いようです。

海外では、ファブリー病男性例の76%、女性例の64%に疼痛症状が出現するという報告1)があります。日本での報告2)は、疼痛を聞き取るアンケート調査であり回答者に偏りがある可能性がありますが、37例のうち1例(女性)のみ疼痛なしと記載されています。このように、四肢疼痛は比較的多くのファブリー病患者さんに現れる症状ですが、すべての患者さんに生じるわけではありません。

何が疼痛の出現に影響を与えるかについては十分に解明されていませんが、女性の疼痛発作は男性より軽症であり、幼少期以降には消失する場合もあるようです。また、遺伝子変異によって影響される可能性が示唆されており、たとえばN215S変異では心臓以外の症状は欠けることが多いと報告3)されています。

1)Mehta A, et al. Eur J Clin Invest. 34(3): 236-242, 2004
2)伊藤康 他, 日本小児科学会雑誌. 119(12): 1733-1741, 2015
3)Oder D, et al. Circ Cardiovasc Genet. 10(5): e001691, 2017


※ この記事は医師専用コミュニティサイト「MedPeer」内のコンテンツ「症例相談(Meet the Experts)」での質問・回答をもとに作成しております。


男の子でファブリー病を疑ったら、
まずα-ガラクトシダーゼ活性測定検査の実施を。


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