ファブリー病Q&A 小児科編

繰り返す原因不明の手足の痛み。それはファブリー病かもしれません。ファブリー病活性測定について詳しく見る

ライソゾーム病の一種であるファブリー病は、X連鎖性の遺伝性疾患であり、加水分解酵素α-ガラクトシダーゼの欠損あるいは活性低下によりGL-3またはGb3(グロボトリアオシルセラミド、別名セラミドトリヘキソシド:CTH)などの糖脂質が蓄積することで生じます。
わが国の新生児スクリーニング調査では7,000人に1人の割合でファブリー病が報告されており*、かつて考えられていたよりも頻度が高く、決してまれな疾患ではないことが明らかにされています。

監修:大橋 十也 先生(東京慈恵医科大学 総合医科学研究センター センター長 小児科学 教授 )

*Inoue T et al.:J Hum Genet58:548-552,2013

もしかしてファブリー病?早期診断3つのポイント

1.ファブリー病の多くは小児期あるいは思春期に発症します。

ファブリー病ではGL-3またはGb3の蓄積に伴って全身の細胞機能が障害されるため、さまざまな症状が出現します。
なかでも四肢疼痛および低汗症、被角血管腫、角膜混濁は、小児期でファブリー病を疑うべき特徴的な所見です。

ファブリー病の主な症状

櫻庭均:小児44、1803-1809、2003を参考に作図

2.小児期に確定診断し、早期に治療導入することが望まれます。

ファブリー病の多くは小児期より症状を呈するにもかかわらず適切な診断に至らず、心・腎などの臓器障害が進行した成人期に発見されるケースが少なくありません。かつては対症療法が治療の中心でしたが、現在では酵素製剤を点滴静注する酵素補充療法やシャペロン療法などがあります。
患者さんのよりよい予後のためには、小児期に確定診断し、臓器障害の進行が認められないうちに治療導入することが望まれます。

3.診断のための酵素活性測定を実施しましょう。

ファブリー病の診断は、小児期に特徴的な症状や家族歴(若年で心肥大や腎不全、脳卒中を発症した人がご家族やご親族に多い)などから、その可能性を積極的に疑うことが大切です。
少しでもファブリー病が疑われる場合には、男性例であれば、まずα-ガラクトシダーゼ活性の測定を行い、診断を進めていきます(α-ガラクトシダーゼ活性の測定で、診断可能なのは男性のみです。女性の場合は遺伝子解析を必要となりますので、ご注意ください)。


男の子でファブリー病を疑ったら、
まずα-ガラクトシダーゼ活性測定検査の実施を。


ファブリー病の症例について、エキスパートの先生に解説頂いています。

ファブリー病Q&A

小児科編 Vol.01 小児期の蛋白尿とファブリー病

Q.学校診断などで見つかった蛋白尿がきっかけで、ファブリー病の診断に至るようなケースはありますか。

A.蛋白尿は10歳代後半から認められることもあり、学校健診の検尿が診断に結び付くケースはあると思います。

信州大学医学部医学科内科学第三教室 教授
関島 良樹 先生


Q&A一覧

Q.学校健診などで見つかった蛋白尿がきっかけで、ファブリー病の診断に至るようなケースはありますか。

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Q.ファブリー病では10歳前後に手足先端の激痛を訴えるとのことですが、痛みの特徴について教えてください。

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Q.日常診療でファブリー病に遭遇する機会はまれですが、見逃すことがないようにしたいと考えています。そのポイントを教えてください。

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Q.両側手背と前腕部に血管に沿うようなピリピリした痛みを訴える10歳男児を診察しています。下肢に自覚症状はありません。運動時など体が温まったときや寒冷時に痛みが増強するということでファブリー病を疑いましたが、皮膚症状や角膜混濁が認められず、他の疾患も想定した検査が必要だと思われます。このようなケースもあるのでしょうか。

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Q.男性透析患者で原因不明の心肥大を伴い、腎不全の原因も不明な場合にファブリー病を疑うことがありますが、小児期に手足の疼痛や皮膚所見などがみられない場合でも積極的に遺伝カウンセリングを行い、酵素活性測定を行うべきでしょうか。

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Q.ファブリー病に特徴的な症状の1つに四肢疼痛がありますが、四肢疼痛がみられないケースも一定数あると聞きます。具体的な頻度はどのくらいでしょうか。また、その原因として、どのようなことが考えられるのでしょうか。

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