積極的な診断で、困っている患者さんを治療に導くことができます

  • 診療科内科
  • エリア愛知県名古屋市

坪井 一哉(つぼい かずや)先生

名古屋セントラル病院 ライソゾーム病センター・血液内科 センター長

坪井 一哉(つぼい かずや)先生

ライソゾーム病の診断や経過観察に必要な検査・診察を日帰りで実施できます。

当院では、特殊専門外来として水曜日の午前に『ライソゾーム病外来』を開設し、ファブリー病、ゴーシェ病、糖原病Ⅱ型/ポンペ病の診断や治療を実施しています。ライソゾーム病外来では他の診療部門と連携しLSD総合コースを開設しています。特にファブリー病は全身に症状が現れますので循環器内科、腎臓内科、耳鼻咽喉科などの先生方と連携し患者さんのフォローを実施しています。なおLSD総合コースで診断や経過観察に必要な検査・診察は日帰りで実施することが可能です。
※LSD : Lysosomal Storage Disease(ライソゾーム病)

ファブリー病はまだまだ診断されていない患者さんがおられます。

ファブリー病はX連鎖の遺伝形式をもつ先天性疾患であり、α-ガラクトシダーゼ酵素の欠損もしくは活性低下が原因のライソゾーム病です。α-ガラクトシダーゼ酵素の欠損により、主にGb3(グロボトリアオシルセラミド)や他の糖脂質が全身の様々な細胞に蓄積し、細胞の障害や炎症・線維化を引き起こします。これらの結果、四肢疼痛・低汗症・被角血管腫・角膜混濁・脳血管障害・心機能障害・腎機能障害などあらゆる症状が現れます。

ファブリー病の頻度は約7千人に1人との報告があります(Inoue T.et al. J Hum Genet. 2013 Aug;58(8):548-52)。2017年現在、日本で酵素補充療法を受けている患者さんは約800人ですので潜在患者さんはもっと多いと考えられています。人種差・地域差は一定の見解は得られていません。

生命予後は、未治療男性で20年(K D MacDermot et al. J Med Genet 2001; 38: 750-760)、未治療女性で15年(K D MacDermot et al. J Med Genet 2001; 38: 769-775)、平均寿命よりも短いと報告されており、死因は心臓が最も高頻度です。治療は、2週間に1回の点滴静注による酵素補充療法が可能であり、蓄積物(Gb3)が減少し、eGFRの低下速度の抑制、LVMIの改善、疼痛スコアの改善、QOLへの作用などが認められています。

積極的にファブリー病を疑い診断することが重要です。

ファブリー病は国の指定難病であるため、一定の基準を満たせば医療費助成制度を受けることができます。ファブリー病は治療可能な疾患であり、気づかれにくい症状から医師が積極的にファブリー病を疑い診断する事が必要です。過去も含め四肢の痛みがなかったかどうか、被角血管腫が体幹部にないか、夏やスポーツ時など汗をかきにくくないか、原因不明の臓器障害が進展していないかなど、ファブリー病で発現しやすい症状から疑ってみていただければと思います。

酵素補充療法は臓器障害が進行すると効果が得られにくいという研究報告(Weidemann F et al.Circulation. 2009 Feb 3;119(4):524-9)もあり、早期診断・早期治療が重要となります。疑いの患者さんがおられましたら、男性であれば酵素活性の測定を実施し、女性であれば遺伝子検査などを実施し診断をしていきます。 診断や治療でわからないことがございましたらお気軽にご相談ください。

医療機関名称 名古屋セントラル病院 ライソゾーム病センター・血液内科
住所 〒453-0801 愛知県名古屋市中村区太閤3-7-7
電話番号 052-452-3165(代表)
医師名 センター長 坪井 一哉(つぼい かずや)先生
ホームページ http://nagoya-central-hospital.com/lysosome/index.html外部サイトを開く