レビー小体型認知症のパーキンソニズムの治療


監修:池田 学 先生
大阪大学大学院医学系研究科 情報統合医学講座 精神医学 教授

レビー小体型認知症のパーキンソニズムの治療においては、レボドパが推奨されています。

認知症疾患診療ガイドライン2017
CQ7-9 レビー小体型認知症のパーキンソニズムの治療はどのようなものか

推奨
レビー小体型認知症にみられるパーキンソニズムに対してはレボドパが推奨されるが、精神症状の悪化や不随意運動(ジスキネジアなど)が出現しやすくなるため高用量投与は避ける。ドパミンアゴニストの使用は精神症状の悪化をきたしやすいため、特に注意を要する。

2C

推奨グレード

1(強い): 「 実施する」、または、「実施しない」ことを推奨する
2(弱い): 「 実施する」、または、「実施しない」ことを提案する

エビデンス総体としての強さ

A:強、B:中、C:弱、D:とても弱い

日本神経学会 監修. 認知症疾患診療ガイドライン2017(医学書院)

転倒した患者の割合

レビー小体型認知症ではアルツハイマー型認知症に比べて転倒のリスクが高く、骨折や重傷事故につながりやすいため、より注意が必要となります。

転倒した患者の割合

単変量ロジスティック回帰分析

  • レビー小体型認知症はアルツハイマー型認知症に比べて転倒のリスクが有意に高値でした。
  • パーキンソニズム、幻視、認知の変動は転倒のリスク因子でした。
方法
新潟リハビリテーション病院 もの忘れ外来で治療継続中の認知症患者78例(レビー小体型認知症27例、アルツハイマー型認知症51例)を対象に構造化面接を行い、過去4ヵ月における転倒の有無を評価した。

Kudo Y et al. Dement Geriatr Cogn Disord 2009; 27(2): 139-146より作図